歴代の天皇が学んだ「帝王学」は時代や制度によって大きく変わった

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「両陛下は、東宮時代、週に一度、お子さま方を連れて参内されていました。そして、その折に、昭和天皇、香淳皇后から多くのことを学ばれたのだと思います。両陛下には、子々孫々に伝えたいことがたくさんおありになる。それは帝王学というような難しいことではなく、皇居内でやっている稲作や、お蚕に関することであるとか、皇室の伝統的な行事に関すること、さらには、国民の幸せ、戦争と平和のことなど、まさに数限りがないのではないでしょうか」(「諸君!」2008年7月号)

 毎週金曜日の夜、東宮一家が吹上御所を訪ね、昭和天皇皇后ご夫妻と食事を共にしていたのだ。皇室のしきたりなどが中心だったかもしれないが、昭和天皇が語ったのはそれだけだったとは思えない。

 歴代の天皇が学んだ「帝王学」は、時代や制度によって大きく変わっている。昭和天皇が学んだ「帝王学」が正式な帝王教育ではなく、立憲君主になる天皇に必要だっただけのことである。少なくとも明治天皇以降の皇位継承者が受けた帝王教育で同じ内容のものはないということだ。また、将来の天皇として学ぶのは「帝王学」だけではない。重要なのは、天皇の存在そのものが「生きた教科書」だということだ。上皇さまが皇太子時代に、お子さまを連れて昭和天皇を訪ねたのもそのためだろう。そんなことを考えると、悠仁さまも、上皇さまや天皇陛下から学ばれるべき時かもしれない。(つづく)

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