歴代の天皇が学んだ「帝王学」は時代や制度によって大きく変わった

公開日: 更新日:

 皇太子の「帝王教育」に影響を与えた人物がもう1人いる。小泉信三(慶応義塾塾長から1949年に東宮御教育常時参与)である。教育係としてハロルド・ニコルソン「ジョージ5世伝」や福沢諭吉の「帝室論」などを講義した。考えてみれば立憲君主としての心構えを説くのだから、バイニング夫人の授業とはずいぶん違ったはずである。

 今上天皇には東宮御学問所のように特別な教育はなかった。基本は学習院での教育と、大学院時代にオックスフォード大学マートン・カレッジに留学したことだろう。ただそれ以外に、父の明仁皇太子自らが「帝王学」を学ぶ環境づくりをされている。

 例えば、浩宮さまは12歳ごろから漢学者の宇野哲人東京大名誉教授から論語を学んでいるが、それ以外にも機を見て比較文化史研究者の芳賀徹氏、民族学者の大林太良氏、科学史の伊東俊太郎氏、万葉学者の五味智英氏らからご進講を受けている。いずれも東大教授だったが、おそらくこうしたことが長く続いたのだろう。

 また、昭和天皇からも学んだと渡辺允元侍従長が記している。

■関連キーワード

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    男性キャディーが人気女子プロ3人と壮絶不倫!文春砲炸裂で関係者は「さらなる写真流出」に戦々恐々

  2. 2

    協会肝いりゲームアプリ頓挫の“張本人”は小林浩美会長…計画性ゼロの見切り発車で現場大混乱

  3. 3

    巨人・田中将大 戻らぬ球威に焦りと不安…他球団スコアラー、評論家は厳しい指摘

  4. 4

    SixTONES新冠番組を潰しにかかるTBS日曜劇場の本気度 道枝駿佑、松本潤、目黒蓮が強力な"裏被り”連発

  5. 5

    長渕剛「理不尽と戦ってほしい」鹿児島の母校卒業生にエールも…元女優から新たな告発

  1. 6

    侍J井端監督が正捕手に据えたい大本命は…3月強化試合への招集は「打倒甲斐」のメッセージ

  2. 7

    「胎動」と「混迷」が交錯するシンドイ2年間

  3. 8

    吉幾三(5)「お前のせいで俺と新沼謙治の仕事が減った」

  4. 9

    長山藍子のおかげでわかった両眼のがんを極秘手術

  5. 10

    ニセコで横行する「海賊スキースクール」…中国系インストラクターやりたい放題で認定校とはイタチごっこ