映画監督・池島ゆたかさんが振り返る「酒と女と芝居と映画」
池島ゆたかさん(66歳)は数多くのピンク映画やAVに出演し、その一方で91年公開「ザ・ONANIEレズ」で監督デビューして以来、125本ものピンク映画の監督を務めている。まさに、「ミスター・ピンク」。酒歴はいかに――。
■突き出しを削るように少しずつ箸でつまみ
「酒と女と芝居と映画……」
ボクの人生をひと言でいうと、こんな感じかなあ。66年に早大に入学してしばらくしたら、70年安保と全共闘運動に連動した大学紛争が始まって、授業ができなくなった。それでボクは弘前市出身の同級生に誘われて、6号館の5階にあったアトリエを根城に、演劇の世界に足を踏み入れたんです。
それが20歳、3億円強奪事件があった68年のことです。その後、寺山修司さん主宰の「演劇実験室・天井桟敷」に参加したのを皮切りに、以後10年以上、ドップリと芝居一筋。カッコよく言えば演劇青年、現実は貧乏な若手役者でした。
金がないのに、稽古が終わったら必ずといっていいほど安居酒屋へ繰り出す。早大近辺から高田馬場にかけては、1000円もあればヘベレケになれる店が多いしね。