<38>ドン・ファン愛人の菜々ちゃんが「1日3回」の技を説明し始めた
「社長、おめでとう。やっと結婚できたんやね。良かった、良かった」
野崎幸助さんと菜々ちゃんがリビングのソファに並んで座り、それをテレビカメラが狙った。ドン・ファンの膝の上には愛犬イブがおとなしく座っていた。
「私が何度も『結婚しようか?』って水を向けたのに、笑っているだけなんですよ」
菜々ちゃんがほほ笑む。彼女がドン・ファンに「結婚しようか」と言ったことは知っていたが、本気とも思えなかった。
「おまえ、彼氏とうまくやってんのんか?」
ドン・ファンが菜々ちゃんに毎朝のように電話をかけていたのも知っているが、彼女は決して自分のことを話そうとしなかった。これは歴代の愛人も同じで、自らのことを積極的に言わないし、本気になって話すこともない。
「社長、例えば性格が良いけど肉感的じゃない女性と、性格は悪いけど肉感的な女性と、どちらを選びますか?」
カメラマンから質問が出た。社長は少し考え、きっぱりと言い切った。