<38>ドン・ファン愛人の菜々ちゃんが「1日3回」の技を説明し始めた
■「陽気な夜の介護士」
「さあ、お仕事、お仕事」
菜々ちゃんはいつもそう笑いながらドン・ファンが待つ2階の寝室に向かったものだ。「陽気な夜の介護士」――私は菜々ちゃんのことを密かにそう呼んでいた。
彼女は目の具合が悪かったドン・ファンのために、アマゾンに投稿されたドン・ファン本の感想を丁寧に読んであげていた。そんな優しさも彼女にはあった。=つづく