感染力はインフルの5倍 流行中の百日咳はこんなに恐ろしい
「繰り返しになりますが、乳児や子どもへの感染予防のために、大人の百日咳にも注意しなければなりません」
大人の長引く咳では、「咳喘息」と間違えられやすいが、医療機関では医師に「百日咳ではないのか」と確認しよう。親がどこかで感染してきて、適切な診察・治療を受けずにいたために、子どもにうつしてしまう。夏休みが明けて子どもが学校に登校し始め、今度は同級生に感染させる……。こんな事態はなんとしても避けたい。
2016年から百日咳菌に対する抗体を測定する検査キットが健康保険適用となっている。乳児・子どもも大人も長引く咳があれば、症状の程度は関係なく、百日咳の有無を調べた方がいい。患者からの百日咳菌の排出は、咳が出始めてから3週間ほど持続する。しかし生後6カ月以上の患者に用いられる百日咳の治療薬、マクロライド系抗菌薬を服用すれば、5日くらいで、他人へうつさないようになる。
なお、百日咳と判明したら、「特有の咳が消えるまで」あるいは「抗菌薬の5日間の治療が終了するまで」、子どもの場合は出席停止。周囲への影響を考えると、大人も出社を控えるべきだろう。