感染力はインフルの5倍 流行中の百日咳はこんなに恐ろしい
WHOの発表でも、重症化しやすく、死亡者の大半を占めるのは1歳未満の乳児、特に生後6カ月未満の乳児となっている。
■咳が出始めてから3週間ほどで菌を排出
百日咳は一般的に、百日咳菌への感染で発症する。感染経路は、咳やくしゃみなどの飛沫感染および接触感染だ。感染力はインフルエンザの5倍ともいわれている。となると、マスクで予防、または感染拡大を防ぐのはどう考えても困難だ。
「最初は普通の風邪と見分けがつきません。次第に咳の回数が増えて、ひどくなってきます。2~3週間くらいすると、息を吸う時にヒューヒューという音が出て、短い咳が断続的に起こります。夜間の方が症状が強く出やすい。熱はなく、あっても微熱程度です」
ただし、必ずしも典型的な症状として出てくるとは限らない。乳児では咳はほとんどなく、息を止めているような無呼吸発作から始まり、チアノーゼ、けいれん、呼吸停止と進むこともある。合併症として肺炎、脳症もある。
また、大人では咳は長く続くものの、それほどひどい状況にならないケースが珍しくない。数週間で回復に向かい、百日咳を起こしている本人は日常生活に支障がないが、前述の通り、乳児や子どもへうつす可能性がある。そうなると、「咳が続くだけ」で済まない。