視力低下の原因「強度近視」はコンタクトが招く? 一日中装着や50歳以降の利用は避けるべき
ドライアイとは「水分不足」に限らない
文字どおり、ドライアイとは目の乾燥ですが、水分不足に限りません。
実は、上下のまぶたの縁の内側にあるマイボーム腺からの皮脂分泌が不足して起こる場合がもっとも多く、原因の85%とされます。ほかに炎症性(9%)、涙不足(6%)とされているので、圧倒的に原因は皮脂不足というわけですね。
眼科では目を保護するムチン産生を増やす点眼剤や、目の乾燥を防ぐヒアルロン酸液剤などを処方します。ただし、マイボーム腺の油脂腺の詰まりなどが多くの原因ですので、目薬だけでなくて、温かいタオルや「まぶたつまみ」などのセルフケアが有効です(『100年視力』では、「まぶたつまみ」の方法を図解で説明しています。ぜひご参照ください 第3章内、マイボーム腺流し「じんわりまぶたつまみ」)。
一方、アイメイクでマイボーム腺梗塞を引き起こしたり、長時間のコンタクトレンズ装用でドライアイ症状を起こしたりすることが多いので、アイメイクを控えたり、コンタクトレンズ装用時間を短くしたり、酸素不足など角膜障害がより強くなるカラーコンタクトレンズを使わない、といった注意も必要です。
また、現代では事務仕事などでパソコンを多用し、目を見開いてまばたきせずにモニターを長時間見がちで、目が乾きやすい状況です。1時間に1回は目を休め、涙を行き渡らすまばたきを意識的に多くしましょう。
■結膜炎は身近な病気、でも軽く考えず受診を!
誰もが何度か経験したことがあるかもしれない、もっとも身近な目の病気が結膜炎でしょうか。目の違和感として訴えの多い「目やに」の原因としてよくあることなので、簡単に説明しておきます。
まぶたの裏の結膜は「むき出し」の目の防護壁です。異物と触れやすく、異物が入り込みやすい構造です。そのうえ血管やリンパ組織が豊富なので、炎症反応を起こしやすいのです。
症状としては結膜の充血のほか、目やに、かゆみ、涙、異物による痛みなどが起きます。
主な原因がアレルギー性かウイルス性か、細菌性かで分け、適した点眼薬で治療を行います。性感染症などを原因とする結膜炎では、角膜に菌がおよび、重症化するおそれもあるので、普段と違う充血などに気づいたら、眼科を受診してください。