視力低下の原因「強度近視」はコンタクトが招く? 一日中装着や50歳以降の利用は避けるべき

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 日本は世界最長寿の国となり、人生100年時代を迎えています。ところが「目の寿命」ははるかに短く60、70年ほど。十分な準備をしておかないと人生の後半に目の病気や視力障害で生活に支障をきたしてしまうかもしれません。世界中から治療を求めて患者の絶えない眼科専門医が世界基準の目の守り方を記した『100年視力』(サンマーク出版)から一部抜粋、再構成してお届けします。

■日本の失明原因の5位「網膜脈絡膜萎縮」

 成人になってからも近視が進む強度近視は、「病気」と考えなければいけません。強度近視になると、いくつもの病気の危険性が高まります。

 目が長く伸びていることから、視神経を圧迫し緑内障になります。また、網膜が伸びて薄くなり、網膜周辺部が破けたり中心部に穴が開いたりして、網膜剥離も多くなります。さらに、この強度近視を原因として中心視の視力低下を招く病気が、ここで説明する網膜脈絡膜萎縮、日本の失明原因の第5位の病気です。

 強度近視で目が伸びることで、網膜は全体に引っ張られて薄くなり、近視性網膜脈絡膜委縮と呼ばれる網膜の機能を失う状況になります。

 国際眼科学会では強度近視という病気を重視しており、この解決方法と合併症の治療に多くの討論があります。

 強度近視の方はコンタクトレンズを一日中装用する方が多くいます。これは角膜内皮細胞を障害します。最長で装用は8時間までです。50歳を過ぎたらコンタクトレンズは装用してはいけません。手術的な適用が主となります。多焦点レンズで近視や乱視や老眼を治して、裸眼ですべてが見える目にできます。

 網膜脈絡膜萎縮を防ぐためには、眼圧はできるだけ下げるのが望ましく、点眼薬が有用です。

 この病気は近視によるものが主ですが、それ以外でも、炎症によるものや遺伝性、栄養や毒物などでも起きることがあります。初期の段階で光の感受性が下がり、薄暗いと見えなくなります。炎症を抑えたり、栄養を改善するなど早めに対症療法を行う必要があります。

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