感染症
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「RSウイルス感染症」たったひとつの対抗策…すべての乳幼児がハイリスク
RSウイルス感染症は乳幼児が避けて通れない病気だ。2歳になるまでにはほぼ全員が感染するというデータがある。乳幼児の感染症の中でも重篤な状態になりやすいRSウイルス感染症、知っておくべきことは? ◇ ◇ ◇ この...
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睡眠ホルモン「メラトニン」で感染症の悪化が予防できる?
風邪をひくと睡眠時間が長くなり、眠った分だけ体が回復した気分になるものです。その一方で熱があって体調が悪い時に、睡眠時間が短いと、より病状が悪化した気分になります。これは気のせいでしょうか? じつはそうではありません。睡眠を...
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コロナ後遺症…感染後の長引く症状すべてが後遺症とは限らない 岡山大が画期的な研究成果
新型コロナが「5類感染症」に移行してから1年たったが、いまでも多くの人がコロナ後遺症に苦しんでいる。まだ、原因も分からず、治療法も確立していない状況だ。なにか、症状を改善する手掛かりはないのか──。岡山大学が発表した研究成果が注目を...
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4月に入って休み・早退を繰り返す子どもが増加…「感染症ドミノ」に要注意!
新年度のスタートとともにX(旧Twitter)上では「保育園の洗礼」なるワードがトレンド入りし大きな話題を集めている。 これは、まだ体の免疫力が十分に発達していない小さな子どもが保育園での集団生活が始まることで発熱や咳、のどの痛み...
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【手洗い】ガイドラインがすべてではない…必要に応じた感染対策が重要
当連載も今回で最後となりました。最後に当時精神科の病院に勤務されていた薬剤師さんとのエピソードを紹介します。 ある飲み会の席で、「手洗い」について議論となりました。私は常々、米疾病対策センター(CDC)のガイドラインを参考に...
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感染力は“最強”…世界的流行の「はしか」52歳以上は要注意! 国内でも報告相次ぐ
世界で流行している、はしか(麻疹)の感染報告が、日本国内でも相次いでいる。今年に入り、すでに13人の感染が確認され、東京都や厚労省が、ワクチン接種による予防を呼び掛けている状況だ。 世界保健機関(WHO)は先月20日、世界の...
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【細菌性髄膜炎】ステロイドの使用が推奨されている数少ない感染症
ステロイド薬は免疫を抑制するため感染症を悪化させてしまうケースがある……。これまで当連載で何度もお話ししてきました。ただしこれには例外があります。それは重症感染症の時です。 たとえば新型コロナ感染症では、軽症の場合は抗ウイル...
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子供のインフルエンザワクチンのベストな接種タイミング
インフルエンザワクチンの接種は、毎年10月上旬から開始されることが一般的です。ただし、ワクチンを接種しても、免疫機能が高まるまでには一定の時間がかかります。 一方で、ウイルスに対する免疫の持続は数カ月であり、毎年のワクチン接...
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【クリニカルパス】手術での「抗菌薬の適正使用」が進んだ大きな要因
私が薬剤師になった頃は、手術後の創部感染の予防のため、抗菌薬を1週間ほど点滴し続けることがよくあったように記憶しています。それが現在は、ほとんどが「術後24時間以内までの投与」となり、心臓手術においても術後48時間までの投与期間にと...
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この春も米CDCは高齢者中心にコロナワクチン接種を推奨
アメリカCDC疾病予防管理センターは、「この春も65歳以上の高齢者と免疫不全者を中心に、新型コロナワクチン接種を推奨する」と発表しました。ワクチンは、昨年秋に接種が行われたワクチンと同じものです。 最新の研究によれば、このワ...
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【破傷風】毒素に抗菌薬は無効…治療や予防にはトキソイドが使われる
前回、空気のない所で繁殖する「嫌気性細菌」、なかでもクロストリジウム属の細菌について触れました。クロストリジウム属細菌の中でも広く知られているボツリヌス菌では、ビン詰や缶詰といった空気を抜いた保存食品(特に自家製のもの)が原因になっ...
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60歳以上が対象の「RSウイルスワクチン」承認…接種を考えたほうがいい人は?
昨年9月、60歳以上を対象とした「RSウイルスワクチン」が承認され、今年に入って接種が開始されている。RSウイルス感染症の予防に役立つというが--。 RSウイルス感染症は、RSウイルスに感染することで引き起こされる呼吸器疾患...
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トイレで広がる胃腸炎に注意!便座のフタを閉めて流しても…
冬はノロウイルスなどの胃腸炎が流行する季節です。そしてその感染が広がる場所として重要なのが、不特定多数の人が使用する「トイレ」です。胃腸炎に感染した人の便には、多量のウイルスが潜んでいて、それが便器の表面や周囲に付着します。後からト...
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コーヒーのポリフェノールや緑茶のカテキンはコロナ予防に有効か?
ワクチンの接種や手指衛生は、新型コロナウイルスに対する基本的な感染予防策です。近年ではまた、コーヒーに含まれるポリフェノール類や、緑茶に含まれているカテキン類が、同ウイルスの感染予防に効果的である可能性も報告されていました。 ...
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【ガス壊疽】急速に進展し治療しても8人に1人は死に至る
前回、発症早期では蜂窩(ほうか)織炎との鑑別が難しい疾患として壊死(えし)性筋膜炎やガス壊疽(えそ)があるとお話ししました。今回は「ガス壊疽」を取り上げます。 ガス壊疽も壊死性筋膜炎と同様に急速に進展する非常に厄介な疾患です...
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流行中の「溶連菌」は合併症に注意…ギランバレー症候群を発症するケースも
「溶連菌」の流行が続いている。国立感染症研究所によると、「A群溶血性レンサ球菌咽頭炎」の今月5日~11日までの全国定点あたりの感染者数は4.61人で、4週連続で4人を超えている。 溶連菌とは溶血性レンサ球菌の略称で、溶連菌感...
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【壊死性筋膜炎】できるだけ早く発見して抗菌薬治療を開始する
前回お話しした蜂窩織炎と似ていて、発症早期には蜂窩織炎との鑑別が難しい疾患のひとつに「壊死性筋膜炎」があります。 蜂窩織炎は、皮膚およびその下の皮下脂肪にかけて細菌が感染した状態ですが、壊死性筋膜炎は、さらにその下の筋膜(筋...
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梅毒急増のなぜ(6)20~30代女性の高校時代の性意識…「草食」世代ではなかったのか
日本性教育協会はほぼ6年に1度「青少年の性行動全国調査報告」を行っている。それによると、「性交経験率」は、いまの20代前半が高校生だった2017年(男子13.6%、女子19.3%)は、援助交際が話題となり始めたいまの30代が高校生だ...
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梅毒急増のなぜ(5)感染者の60%は性風俗以外…SNSが変えた「パパ活」と女性の性意識
性風俗関連の梅毒感染が多いとはいえ、その割合は利用者と従事者含めて男女とも40%程度に過ぎない。残りの60%はどこで感染しているのか? 日本性感染症学会功労会員でもある「プライベートケアクリニック東京」(東京・新宿)の尾上泰彦名誉院...
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致死率30%「人食いバクテリア」に感染しても命を守る方法
人食いバクテリアと呼ばれる「劇症型溶血性レンサ球菌感染症」が急増している。過去最多を記録した昨年の941例に続き、今年1月28日までの累計報告数はすでに200例に達した。致死率は約30%と高い。命を落とさないために何ができるか、東京...
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梅毒急増のなぜ(4)感染者のうち男性40%、女性1%が性風俗を利用
新型コロナの影響で2020年は減少したものの、2011年以来、梅毒患者報告数は増え続けている。とくに目立つのが20~30代の女性で、地方での増加も目立つ。なぜか? ひとつの推測として性風俗で感染する人が増えたことが考えられる。 ...
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梅毒急増のなぜ(3)年間200人の妊婦が感染…過去最多の先天梅毒へ
妊孕力の高い20代の女性に梅毒が急増していることは、妊婦の梅毒感染と、その子供たちの感染である先天梅毒の増加を意味する。実際、妊婦の梅毒関連件数は、梅毒の届け出用紙に妊娠の有無を記載するようになった2019年以降、毎年200件前後(...
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梅毒急増のなぜ(2)症状の消滅を治ったと勘違いして感染拡大
梅毒は梅毒トレポネーマによる細菌性の性感染症だ。感染からの経過時間と症状によって早期顕症梅毒(Ⅰ期、Ⅱ期)と晩期顕症梅毒、それに無症候性梅毒に分かれる。 Ⅰ期は感染3週間程度で侵入口に初期硬結、硬性下疳が見られるが、やがて自...
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梅毒急増のなぜ(1)10年で15倍の約1.5万人…直近3年間の伸び率トップは北海道
梅毒感染が深刻になってきた。なぜ、急拡大しているのか? 国立感染症研究所が公表する、感染症発生動向調査週報(IDWR)速報データによると、2023年第1~52週の梅毒患者の新規届け出件数は1万4906件。2000~12年の梅...
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【蜂窩織炎】外傷や虫刺されから感染が始まるケースが多い
人の皮膚の下には皮下脂肪があり、皮下脂肪の下には筋肉が存在します。「蜂窩織炎」は、皮膚およびその下の皮下脂肪にかけて細菌が感染した状態を指します。皮膚の脂肪組織は蜂の巣のように見えるため、このような名前がつけられ、蜂巣炎と呼ばれるこ...
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第10波到来! 急増中の新型コロナは「ウオーキング」で撃退
コロナ第10波の到来か。厚労省によると、1月29日~2月4日までに全国約5000の医療機関から報告された新型コロナウイルス感染症の新規患者数は7万9605人で、1医療機関あたり平均患者数は16.15人と報告された。11週連続で増加の...
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「薬害」が感染症を引き起こす…日本で何度も起こっている
前回、大腿四頭筋拘縮症の薬害問題について少しだけ触れました。これまで、日本でもたくさんの薬害が起こってきましたが、薬害により感染症が発生したケースも多く知られています。 以前、当連載でも紹介したクロイツフェルト・ヤコブ病(ヤ...
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【ワクチン接種】筋肉注射のほうが副反応が少なく効果が高い
新型コロナ感染症の流行により、ワクチンを接種された方は多いでしょう。これまで、ワクチン接種といえば「皮下注射」が多い印象ですが、新型コロナウイルスのワクチンは「筋肉注射」であることを不思議に思った方もたくさんいたのではないでしょうか...
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例年の3倍に急増中!「溶連菌」は大人が感染すると重症化リスク大
「溶連菌」の流行が止まらない。東京都は先月21日、調査を開始した1999年以来、溶連菌による「A群溶血性レンサ球菌咽頭炎」が初めて警報基準に達したと発表した。子供がかかる感染症のイメージが強いが、大人が感染した場合、重症化のリスクが高...
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【感染予防】アフターコロナだからこそ正しいマスク装着とアルコール消毒を見直す
最近、「アフターコロナ」という言葉をよく聞くようになりました。たしかに、新型コロナ感染症はずいぶん落ち着いてきたようにも思います。今回は新型コロナとともに一般化した「マスク」や「アルコール消毒」についてお話しします。 じつは...