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芳沢光雄桜美林大学名誉教授

1953年東京生まれ。東京理科大学教授などを経て現在、桜美林大学名誉教授。理学博士。著書「新体系・中学数学(高校数学、大学数学入門)の教科書」(講談社ブルーバックス)、「中学生から大人まで楽しめる算数・数学間違い探し」(講談社+α新書)など多数。近著に「数学の苦手が好きに変わるとき」(ちくまプリマー新書)などがある。創刊時から日刊ゲンダイの読者で81年はアメリカでも購読。算数・数学に親しんでもらおうと日本各地の学校を訪れ出前授業も行う。

(1)逆カクテルパーティー効果…石北線のカタン・コトンの騒音で集中力アップ!

公開日: 更新日:

 高校生の頃、飼っていたコッカースパニエル犬の「ベル」にいろいろ試したことがあります。

 ベルが寝ているときドラム音がする音楽をかけても、目を開けて寝たまま。しかし、ドラム音に合わせてベルのお茶碗をスプーンでたたくと、突然起き上がって走って来ました。

 また、桜美林大学に勤めていた頃、学内にあるカフェテリアでコーヒーを飲みながら数学の問題をたまに考えましたが、あまり仕事がはかどったという思い出はありません。周囲に座っている学生さんたちが、クラブ活動や他教科の課題などを話し合っていても気になりませんでしたが、方程式とか微分とかの数学用語を用いて話し合っていると、ついその会話に耳を傾けてしまうからです。

 そのような現象は心理学でいう「カクテルパーティー効果」です。詳しく述べると、「カクテルパーティーのような騒がしい場所であっても、自分の名前や興味関心がある話題は自然と耳に入ってくる」ということです。

 昔から「数学は紙と鉛筆があれば学ぶことができる」とよく言われています。それだけに、学ぶときの場所はいろいろありました。

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