介護保険証も紙廃止→マイナ一本化へ厚労省方針…業界から案の定あがった「時期尚早」の声

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 介護保険証が廃止されれば、介護現場では混乱が予測される。一般社団法人「全国介護事業者連盟」の斉藤正行理事長はこう話す。

「まず、マイナカードを取得してもらうのが大変です。介護サービスの利用者には、認知症の方や、身寄りがなく周囲のサポートが受けられない方など、さまざまな人がいます。そうした人たちには、マイナ関係の手続きは負担が大きい。現場のトラブルも予想され、マイナに一本化するのは時期尚早ではないかと」

 セキュリティー上の懸念もある。東京都高齢者福祉施設協議会の田中雅英会長はこう言う。

「保険証の保管が大変になるという問題があります。介護施設は利用者の介護保険証を預かるケースが多い。現行の介護保険証でも保管には神経を使いますが、個人情報が詰まったマイナカードと介護保険証では、紛失した際の責任が全く異なります。預ける利用者にとっても、預かる事業者にとっても、心理的な負担は大きくなるでしょう」

 国民の命にかかわることだけに、強引に事を進めるのはいただけない。前出の斉藤理事長は言う。

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