介護
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在宅医療を受けている患者の容態が急変…救急車を呼ぶか否か
在宅医療を行う当院では、患者さんを自宅で最期まで看取るということを重視しています。 自宅で患者さんの容体が悪くなり、焦ったご家族から電話をいただくことがありますが、その場合まずは落ち着いていただき、慌てて救急搬送を要請しない...
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昔はこうじゃなかったのに!親をつい怒ってしまう…どうすればいい?
喧嘩を好んでする人はまずいない。それが親子ならなおさらだ。そもそも子が学生のうちは喧嘩というより「怒られる」方が多かったはず。働くようになり、自分も子を持つようになると「親のありがたさ」を痛感しつつ、対等の喧嘩ができるようになるもの...
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「なぜ、こんな乱暴者に…」過酷な認知症の夫の介護。そして妻は倒れた
利用者にとって最善の介護サービス事業所を探し出し、的確なケアプラン(介護サービス計画書)を作成し、利用者と家族の暮らしを整える--。それが、ケアマネジャーの果たすべき役割だ。だが、私が担当する85歳の桑野義昭さんへの支援に関しては、...
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【みまもりホットライン】電気ポットの使用履歴を1日3回メールで通知
「みまもりホットライン」は、電気ポットを利用した見守りサービスだ。今年で24年を迎える。サービス開始時、同様の商品は世界に類を見なかった。開発のきっかけになったのは、1996年に起きた事件だった。 「池袋の自宅で高齢の親子2人が...
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台風19号で避難の勧め 自宅から離れたくないと頑なだった男性が「では、行きますか」と…
当然のことだが、感染症の蔓延や自然災害などの際であっても、介護サービスを停滞させるわけにはいかない。中断させないよう準備するとともに、中断した場合でも業務の復旧を実現するための体制づくりや手順を示したものを「業務継続計画」という。計...
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なぜ自宅で過ごすことを決め、理想の最期が「家」なのか…患者に確認する
さまざまな患者さんと接する中で、まず最初に確認する大切なことは、なぜ患者さんが自宅で過ごすことを決め、理想の最期が家なのかというその理由なのです。 それは時に本人のささいな生活習慣であったり、その人の人生における大切なこだわ...
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重度認知症の彼らがよく使う「怒られる」という言葉の意味
私が初めて重度認知症の人から話を聞いたのは敬子さんだった。あらぬ方向を見つめてはぼんやりしていて、ほとんど口を開かなかったが、たまたま彼女が大好きな自転車を話題にしたことがきっかけで話をすることになった。ただ数分もすると忘れるから、...
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患者と家族の双方の負担を減らす「ショートステイ」と「レスパイト入院」
ショートステイやレスパイト入院をご存じでしょうか? これらは、自宅で療養中の患者さんが、一時的に介護施設や病院で療養したり介護を受けられたりするサービスです。在宅医療を行うご家族の介護の負担を軽減し、介護疲れを癒やすため、...
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実家が空き家になったらまず考えるべきこと…ライフラインはどうする?
親が介護施設などに入所し実家が空き家になると、さまざまな問題が浮き上がる。それを解決するために動くのは子供たちなのだが、イザとなると即決しきれないことが多々あるものだ。 例えば電気、ガス、水道などのライフライン。単純に考えれ...
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大家さんを支えていた早苗さん 老親介護、難病の義妹の看病、コロナ感染家族の世話に大奮闘
いまから4年ほど前、新型コロナウイルスのクラスターが発生したころ、私の周囲も危機的状況に陥った。高齢者施設では、感染した入居者の世話をしていた介護職員たちが感染してしまうことがあった。それでも介護職員は働き続けたため、「陽陽介護」と...
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遠距離の介護帰省の費用を抑え、効率よく回るためのポイント
前回、遠距離介護の交通費を抑える方法について触れた。今回はさらにひねった航空会社の交通費節約の技をご紹介したい。 ひとつは航空券だけでなく、ツアーにして宿泊を組み合わせる方法だ。 実家に帰るのに宿代は余計な出費になる...
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家族が認知症を発症したという現実を受け止められない
先日、書籍を紹介するテレビ番組で有吉佐和子さんの小説「恍惚の人」が紹介されていました。 出版時の1972年では珍しい、仕事と家事を両立させている女性が認知症を患った舅(しゅうと)を介護する話で、タイトルが流行語にもなるほどベ...
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(10)突然の「明日退院」。父は頼りにならない…母の面倒はだれが
様子がおかしくなっていた熊本の母は、クリニックでレビー小体型認知症と診断。数日後に熱中症で倒れ、救急病院に運ばれた。私はすぐに熊本に飛んだが、コロナ禍で母には会えなかった。入院の手続きだけし、その日のうちに帰京。しかし約10日後、「...
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高齢者が健康を保つ「栄養」と「食事」で大切な基本はなにか
「今後の健康を保つためにはどんな食事がいいのでしょうか?」 ある60代の方からこんな質問がありました。また、80代の方々からも「80歳を越えましたが、どんな食事をとれば健康を維持できるのでしょうか?」といった質問をよくいただき...
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一人で暮らす老いた親の「ヒートショック」を防ぐ対策法は?
「昨晩、風呂から上がって体を拭こうとしたら、意識を失って倒れたようです。額にできた傷がひどく痛むのですが……」 そう訪問看護師に訴えたのは、80歳になる女性でした。軽度認知障害と診断されてからも住み慣れた家で過ごしたいと、1人...
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新居に引っ越すまでは自宅にいたい…しかし刻一刻と容体は悪化して…
私たちが訪問する患者さんのご家族の中には、熟考し覚悟を決めて自宅療養を始めたものの、本当に自宅でよかったのか、それとも病院や他の施設の方が患者さんの苦痛を取り除けるのではないかなど、改めて悩まれる方が少なくありません。 「そ...
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遠距離介護の交通費問題…航空会社の割引制度利用でお得に往復
遠距離介護には往復の交通費問題が常にのしかかる。鉄道、航空、バスなどの公共交通機関は早期購入割引があるとはいえ、介護問題は突発的に起こるのが常。すぐに出発しなければならないケースだと高い運賃しか残っていないことが多い。 しか...
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(7)「家に戻りたい」を叶える在宅・在施設看取りがさらに増える
最近の医療のキーワードのひとつに「在宅・在施設」があります。前世紀なら、自力で日常生活が難しくなった高齢患者は、いわゆる「老人病院」に最期まで入院、というケースがよくありました。 しかし現在は、慢性期の高齢患者はできるだけ長...
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独居の親の「セルフネグレクト」を疑うポイントは?
近年、独居の高齢者で問題になりつつあるのが「セルフネグレクト」です。これは病気や不慮の出来事がきっかけで、食事や入浴、医療機関の受診など、本来、生活する上で行うべき行為をしない、あるいは行えず心身の安全や健康が脅かされている状態のこ...
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銀行、保険、スマホ…個人情報の整理は60代から準備する
認知症の患者数は2020年に600万人を超え、30年には800万人を超えるという試算もあります。年齢が上がるにつれて増えるため、65歳以上の全体で16%の有病率は、80代後半で男性は35%、女性は44%に上昇。90代後半では、男性5...
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最期の点滴はどうする? 枯れたように…患者さんにとっては楽な旅立ち
在宅医療の現場では点滴が必要になることも少なくありません。 一般に人間の水分量は、成人男性で体重の約60%、子どもでは70~80%といわれています。その水分を患者さんの口から取れていれば問題はありませんが、何らかの理由で口か...
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帰省時の「足」をどう確保する?今のうちから対策を
親の介護が現実化してくると実家に足を運ぶ機会が増える。医療・介護の専門家たちとの相談、必要書類を集めるための役所詣で。ひとりで回るだけでも大変なのに、金融機関では親本人を連れていかねばできない手続きもある。すでに自身が退職し、じっく...
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優しきヤングケアラーの葛藤…「おばあちゃんは家に帰りたいんだと思う」
「ヤングケアラー」という言葉がある。 もともとは、家族の介護や世話に追われて、自由な時間を奪われ、学校生活が犠牲にされ、進路にも深刻な影響が及ぶ18歳未満の子どものことだ。しかし現在では、18歳以上であっても、家族の介護や世話...
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在宅介護を円滑にさせる「対話型AI」とは?認知機能を維持する効果に期待
今年6月、俳優の野々村真さん(60)をモデルに起用した「AI音声対話型デジタルヒューマン」が、一部の高齢者施設に導入されたのはご存じでしょうか。AIとの「会話」を通して高齢者の認知機能の改善や、介護施設での人材不足を解消させる目的で...
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介護施設からの一時帰宅を家族に拒否される理由
講演や仕事などで老人施設を訪ねると、入所者の方からよく愚痴を聞かされます。あるとき、心筋梗塞で倒れた76歳の男性と出会いました。救急搬送された大学病院から回復期リハビリ病院を経て、介護施設に入所されたそうです。一生懸命にリハビリに励...
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関節可動域が認知機能を維持するために重要なのはなぜか
「50歳頃から体が硬くなってきて、電車に乗っているときなどバランスが悪くなってきました。どうなってしまうのでしょうか?」 50歳以降、われわれの体は確実に衰えていきます。しかし、せっかくの人生です。健康で、楽しく、気持ちよく生...
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介護で心身をすり減らす前に地域包括支援センターを大いに頼ろう
親の介護問題がやっかいなのは、親にも子供にも未経験のことが次々に起こる点にある。それはそうだ。誰だって自分がどう老いていくのかはわかっていないし、病気やケガは突発的なことが多い。若い頃なら何でもなかったことが大事に発展するので、本人...
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「朝顔たちに水を…」死の直前にかかってきた田畑さんからの電話
突然だが、もし、あなたの身内が介護が必要になったとしたら、まず最寄りの「地域包括支援センター」に電話をすることをお勧めする。センターの職員が訪問して相談にのってくれる。センターは全国各地に設置され、市区町村が医療法人や社会福祉法人に...
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そばに誰かがいることのありがたさ、その誰かをサポートする役割の大きさ
最近、気になったある「医療ケア児」に関わる事件がありました。それは、痰吸引が必要な8歳の医療ケア児を放置し死なせたとして32歳の母親が逮捕されたという痛ましい事件でした。 かえすがえすも8歳の娘さんが亡くなったことが残念で仕...
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睡眠中の脳の働きが「ひらめき」を生むのはなぜか?
「親の認知症が進んだようで、夜、寝なくて困ります。昼はいつもうとうとしていて……。どうしたらいいのでしょうか」 ご家族からよく寄せられる質問です。 良質な睡眠はとても大切です。睡眠リズムが崩れると、気持ちいい生活が壊れ...