著者のコラム一覧
保阪正康作家

1939年、北海道生まれ。同志社大卒。編集者を経て「死なう団事件」でデビュー。「昭和天皇」など著書多数。2004年、一連の昭和史研究で菊池寛賞。本連載「日本史 縦横無尽」が『「裏切りの近現代史」で読み解く 歴史が暗転するとき』(講談社)として好評発売中。

近衛文麿首相を激怒させた松岡洋右の難癖、許し難い抵抗の姿勢

公開日: 更新日:
リッベントロップ独外相と会談に臨む松岡洋右外相=1941(昭和16)年4月、ベルリン(C)共同通信社

 近衛文麿首相は片方で吉田茂を中心とする親英米派に依存し、もう片方で松岡外相の対米宥和政策に期待をかけていた。両者には対英米政策の打開が必要との認識があったが、その手法には大きな違いがあり、やがてそれが具体的な形で明らかになってくるのであった。

 それまでの期間は近衛が両者… 

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