「小池都知事はエジプトのエージェント同然」カイロ大の体質を知り尽くすジャーナリストが看破

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後ろ盾は「プロパガンダの父」

 ──ハーテムといえば、留学生時代の小池知事の後ろ盾だったとされる人物です。「女帝」によると、小池知事は同居人に「お父さんが、ドクター・ハーテムにカイロ大学に入れるように頼んでくれている」などと話していました。

 ハーテム枠はさらにインテリジェンス枠とインフォメーション枠に分かれています。インテリジェンスというのは、他国で諜報活動を行って世論を操作し、親エジプト国家を形成したり、敵国を不利な状況に陥らせること。インフォメーションは、いわゆる戦略広報です。例えば73年の第4次中東戦争で、エジプトはイスラエル軍の不意を突いた奇襲攻撃を仕掛けましたが、その大義を世界に知らしめなければ意味がない。情報(インフォメーション)相ハーテムは欧米のマスコミをメディアツアーの名目で戦地候補地に事前招待し、現場で情報操作しながら報じさせたのです。アラブ世界の「プロパガンダの父」と呼ばれています。

 ──小池知事はインフォメーション枠だったわけですね。具体的にどんな役割なのでしょう。

 ひとつは、カイロ大の偉大さを証明することです。カイロ大の卒業生でノーベル賞をとった人物が3人いますが、全員エジプト人です。海外で首脳に就任した人もいますが、やはりアラブ人。カイロ大を卒業した先進国の要人は小池知事1人しかいません。公式ホームページでも「カイロ大は日本の元防衛大臣である小池都知事の輩出に成功」と記すように、カイロ大を宣伝するための極めて重要な存在なのです。

 ──確かに大きな役割です。

 もうひとつ、重大な役目があります。日本政府から援助を引き出すための窓口となることです。興味深い報道があります。16年3月にエジプト政府系のアハラーム紙が報じた記事によると、来日した当時のシシ大統領は、日本エジプト友好議連会長だった小池氏と面会。大統領は「謝意を表した」とされている。一体、何に対して謝意を表したのか。記事では「大統領の訪日では、教育プログラムに関連して多くの目標を達成した」と紹介されている。実は、この報道の約1カ月前、三百数十億円に上る日本のODA(政府開発援助)による教育支援策「エジプト・日本教育パートナーシップ」が発表されています。つまり、シシ大統領はODAという形で援助が実現したことについて、小池氏に謝意を表したわけです。

 ──このODAに小池知事が関与したということでしょうか。

 アハラーム報道から約1年さかのぼった15年5月、現地メディアのアルマスダル紙電子版によると、エジプト大統領府で小池氏と面会したシシ大統領は「教育分野において日本の経験から利益を得ることについて、関心を示した」とされる。大統領の関心に対し、小池氏は「エジプトと日本の関係を強化する努力を惜しまない」と後押しを表明。さらに小池氏は「私がエジプトを大切に思っているのは、公式のレベルだけでなく、個人のレベルのことである」とまで語っている。小池氏が教育支援ODAの端緒を開いた可能性が高いとみています。

■三百数十億円のODAに「謝意」

 ──まさに、エージェントのような立ち回りですね。

 アハラーム紙の記事を担当した記者のコラムがまた興味深い。以前、記者が取材した際に小池氏が語っていた内容を紹介。小池氏は、ナセル大統領が外国人学生に対して奨学金を提供するという重要な政策を採用していたと評価。彼女自身もエジプト政府から月額数千円程度の支援を受け取っていたことを明かした上で、「ナセルの(私への)投資は有益で成功だったでしょ。だって、そうじゃない!」と発言したというのです。教育支援ODAの実現を誇るような話しぶりで、まさにエージェントと言うしかありません。18年にはエジプト軍部諜報系テレビ局の取材に「私は100%エジプト人」と話したほどです。

 ──エジプト政府・軍部と一体のカイロ大が小池知事を守る理由がよく分かりました。

 私が90年代にカイロ大に通っていた経験から言って、小池氏のアラビア語は卒業できるレベルではありません。カイロ大は小池氏について、“超法規的卒業”という扱いにしたのだとみています。

 ──超法規的とはどういう意味ですか。

 カイロ大は、編入学については法律で大統領権限に基づく特別枠が存在しますので、コネでも“法規的”に入れます。しかし、卒業に関しては法律で明記されていない。当たり前ですが、権力者の口利きによる卒業=学位授与を公認すれば、大学の信用は無になるからです。しかし、その法を超えた卒業枠があるのはエジプトでは公然の事実です。小池氏も同じケースの可能性があります。

 ──小池知事は弱みを握られている状態ですね。

 今後、どんな条件を引き出されることになるのか。外国政府に都知事の生殺与奪の権を握られた状況というのは、極めて危険なことだと思います。

(聞き手=小幡元太/日刊ゲンダイ)

▽浅川芳裕(あさかわ・よしひろ) 1974年、山口県生まれ。エジプト・カイロ大学文学部セム語専科中退。ソニー中東市場専門官、「農業経営者」副編集長を経て独立。ジャーナリスト、農業アドバイザー。著書は「日本は世界5位の農業大国」「“闘争と平和”の混沌 カイロ大学」など多数。

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