自民裏金事件めぐり旧安倍派“金庫番”の参考人招致が決まる…元所属議員が口を揃える「次は幹部の番」
巨額の裏金づくりに手を染めた旧安倍派の“金庫番”の国会招致。昨年来、野党側が要求し続けてきたものの、自公の反対で実現せずじまいだったが、野党が衆院予算委員会の委員長ポストを握った少数与党下で、ついに実現に近づいた。
野党側が今回、旧安倍派の元会計責任者・松本淳一郎氏(77)の参考人招致を来年度予算案の実質審議入り条件としたため、予算委の日程も絡んだスッタモンダの与野党協議が続いていた。参考人招致は全会一致が慣例だからだが、結局、多数決による議決を行うことになり、30日、野党の賛成多数で招致が決まった。自民は反対し、公明党は採決前に退席した。
自民党の派閥裏金事件の実態解明には旧安倍派の会計責任者に話を聞く必要があるというのが野党の主張。特に、一度中止が決まったパーティー券収入のキックバック復活をめぐり、松本氏と旧安倍派幹部らの証言が食い違っている。この真相を明らかにするのが肝なのは言うまでもない。
自民は、松本氏は裁判で有罪が確定しているとして「立法府が立ち入るべきではない」と反対してきた。だが、すでに予算委の日程が1日ずれ込み、年度内成立を考えると、これ以上は日程を窮屈にできないため、矛を収めた形だ。
「参考人招致の日程は2月10日ごろが想定されている。出席するかどうかは任意で、松本氏はこれまで、招致が決まっても出席しない意向を示しているとされる。しかし、野党は強気。参考人招致を拒否すれば、出席に強制力があり、偽証罪に問われる証人喚問へと進んでしまう。自民党内には参考人招致で手を打った方がいいという声もある」(政界関係者)