「石破おろし」強烈すぎる“踏み絵”に広がらず 読売調査でも過半数に届かず…焦点は2日の総括委の結果

公開日: 更新日:

 どうにも迫力不足のようだ。

 石破首相への事実上の退陣要求である自民党総裁選の前倒しを巡って、現職の副大臣・政務官から公然と「石破NO」が噴出している。8月31日も麻生派の斎藤洋明財務副大臣がX(旧ツイッター)で前倒しを求め、「任命権者より副大臣の辞任を求められれば辞任する」と投稿した。

 自らのクビをかける覚悟を示した格好だが、党全体から“何としてでも石破首相を引きずり降ろす”という熱気は伝わってこない。

 31日の読売新聞が前倒しの是非について、国会議員と都道府県連に実施した意向調査の結果(8月30日現在)を報じた。前倒しには国会議員と都道府県連代表者の総数342人の過半数=172人の賛成が必要だが、読売の調査では128人と及ばず、大半が態度未定だった。

 詳細な内訳を見ると、党所属国会議員295人のうち、前倒しに「賛成」は120人。「反対」は32人だが、「答えない・未定」は124人、「未回答」は19人だった。都道府県連の「賛成」はわずか8にとどまる。

 この傾向は1週間前から変わっていない。先月25日に日本テレビが報じた意向調査の結果では、前倒し総裁選を「行うべき」と答えた国会議員は120人で、読売の数字と同じ。

 同日に時事通信が公表した47都道府県連代表者へのアンケート調査では、前倒し総裁選を「実施すべきだ」は21道府県に上り、読売の調査結果よりも多かった。調査主体がバラバラなので単純比較はできないが、少なくとも「石破おろし」は拡大しているとは言えず、足踏み状態だ。

 その理由について、自民中堅はこうみる。

「総裁選管理委員会による意思確認の『踏み絵』が強烈すぎるのでしょう。前倒しに賛成の議員は8日に書面を党本部に出しにいかないといけないが、反対議員はスルーでOK。つまり、賛成するなら当日は党本部に来ないといけないわけです。当然、現場で待機するマスコミに、誰が来たかチェックされる。裏金議員が何人来たかもカウントされ、記者団に囲まれるでしょう。顔と名前をさらされるのがイヤで逃げようものなら、その姿をテレビカメラにキャッチされかねない。それが怖くて腹が決められない議員が多いのだろう」

最新の政治・社会記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • 政治のアクセスランキング

  1. 1

    さすがチンピラ政党…維新「国保逃れ」脱法スキームが大炎上! 入手した“指南書”に書かれていること

  2. 2

    国民民主党の支持率ダダ下がりが止まらない…ついに野党第4党に転落、共産党にも抜かれそうな気配

  3. 3

    「核兵器保有すべき」放言の高市首相側近は何者なのか? 官房長官は火消しに躍起も辞任は不可避

  4. 4

    片山さつき財務相の居直り開催を逆手に…高市首相「大臣規範」見直しで“パーティー解禁”の支離滅裂

  5. 5

    維新のちょろまかし「国保逃れ」疑惑が早くも炎上急拡大! 地方議会でも糾弾や追及の動き

  1. 6

    国民民主党・玉木代表「ミッション・コンプリート」発言が大炎上→陳謝のお粗末…「年収の壁」引き上げも減税額がショボすぎる!

  2. 7

    臨時国会きょう閉会…維新「改革のセンターピン」定数削減頓挫、連立の“絶対条件”総崩れで手柄ゼロ

  3. 8

    保守系の週刊新潮・週刊文春にも叩かれる高市早苗の薄っぺらさ

  4. 9

    官邸幹部「核保有」発言不問の不気味な“魂胆” 高市政権の姑息な軍国化は年明けに暴走する

  5. 10

    脆弱株価、利上げ報道で急落…これが高市経済無策への市場の反応だ

もっと見る

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    福原愛が再婚&オメデタも世論は冷ややか…再燃する「W不倫疑惑」と略奪愛報道の“後始末”

  2. 2

    「年賀状じまい」宣言は失礼になる? SNS《正月早々、気分が悪い》の心理と伝え方の正解

  3. 3

    「五十年目の俺たちの旅」最新映画が公開 “オメダ“役の田中健を直撃 「これで終わってもいいと思えるくらいの作品」

  4. 4

    放送100年特集ドラマ「火星の女王」(NHK)はNetflixの向こうを貼るとんでもないSFドラマ

  5. 5

    国民民主党・玉木代表「ミッション・コンプリート」発言が大炎上→陳謝のお粗末…「年収の壁」引き上げも減税額がショボすぎる!

  1. 6

    どこよりも早い2026年国内女子ゴルフ大予想 女王候補5人の前に立ちはだかるのはこの選手

  2. 7

    出家否定も 新木優子「幸福の科学」カミングアウトの波紋

  3. 8

    「M-1グランプリ2025」超ダークホースの「たくろう」が初の決勝進出で圧勝したワケ

  4. 9

    「核兵器保有すべき」放言の高市首相側近は何者なのか? 官房長官は火消しに躍起も辞任は不可避

  5. 10

    楽天が変えたい「18番は田中将大」の印象…マエケンに積極譲渡で“背番号ロンダリング”図る