悪評でもファン納得 アギーレに「トルシエ的」センスあるか?
日本サッカー界の中から「果たしてアギーレ新監督はトルシエになれるのだろうか……」という声が聞こえてくる。
98年W杯仏大会に出場した日本代表は1分け2敗の惨敗に終わり、4年後の地元開催W杯・日韓大会はフランス人監督のフィリップ・トルシエ(59)の手に委ねられた。
このトルシエ、平気で人種差別的な物言いはするし、思い通りにコトが進まないとヒステリックに当たり散らすという、エキセントリックな人物だったのは、日本代表ファンなら知っている。就任前の監督実績にも乏しいトルシエだったが、代表監督に必要なは「旬の選手を見抜いて抜擢する」能力においては、慧眼の持ち主だった。
■鈴木隆行の目を見て先発を決めた
01年に開催された日韓W杯のプレ大会・コンフェデ杯では、こんなエピソードがある。
日本は、初戦カナダ戦を先発FWの西沢明訓と森島寛晃のゴールなどで3-0と快勝。2戦目カメルーン戦のスタメンFWは西沢と鈴木隆行(38=現J2水戸)。チームメートも驚く抜擢だったが、試合は鈴木の2ゴールで強豪カメルーン相手に完封勝利。試合後トルシエは、「スズキの目をじっと見ていたら『コイツはゴールを決める! と確信。先発させた』と話し、サッカー関係者をアッと驚かせたのだ。