アギーレ新体制スタート 本田と香川も“お払い箱”の可能性
日本代表の新指揮官ハビエル・アギーレ(55)というのは、どんなサッカーを志向し、どういう選手が好みなのか? まずは、指導者として頭角を現したスペイン時代のサッカーをつまびらかにする必要があるだろう。
CS放送の仏リーグ解説者として欧州サッカーに精通する中山淳氏が言う。
「02年にスペイン1部オサスナの監督に就任。1部と2部を行ったり来たりのエレベーター・クラブを率い、無名選手をやりくりしながら1部残留を果たした。翌シーズン序盤も上位に食い込み、オサスナ旋風を巻き起こしました。当時、アギーレが採用していたシステムは4(DF)―4(MF)―2(FW)です。戦い方は、堅い守備と激しいプレッシングから素早く攻撃に転じ、数少ないチャンスをモノにしていくというもの。代表監督選びの責任者の原博実・日本サッカー協会専務理事(技術委員長兼)は、オサスナ時代のアギーレに興味を持ったと思われます」
パスを細かくつないでボール支配率を高め、攻撃サッカーで試合のペースを握っていく。これが前任者ザッケローニの戦術だった。前出の中山氏は「アギーレは、ザッケローニとは異なるタイプの指揮官です。攻撃サッカーを実践する指導者というよりも《守備の構築》を得意とする現実主義的な監督」と言う。豊富な運動量と守備力が要求されるので年齢的なことを含めてMF遠藤保仁(34)は完全アウト。守備を大の苦手とするFW香川真司(25)だって安穏とはいかない。MF本田圭佑(28)が呼ばれなくなることはないだろうが、自身が「自分の家」と言い切り、愛着のあるトップ下のポジションは剥奪され、フィジカルの強さとボールキープ力を買われてボランチへのコンバートは十分にあり得る。