37億円補強のオリックス企むイチロー獲得の“ウルトラC”
あくまで控えとしての起用では、基本的にこれまでと変わらない。ヤンキースでそうだったように、試合に出たり出なかったりが続けば、感覚は鈍るし、衰えも加速する。技術ではカバーできなくなり、目標のメジャー3000本安打にも届かない可能性が高い(現在2844安打)。
そこで浮上するのがメジャーを視野に入れながらのオリックス入りだ。外野は糸井、坂口、T-岡田が守っているものの、イチローの守備力はだれよりも上。勝手知ったる古巣で、何よりレギュラーで試合に出続けることができる。
「球団は獲得を前提に、すでにウルトラCを用意している」と、さるオリックス関係者がこう言った。
「レギュラー起用を条件に、とりあえず1年契約を結ぶ。で、メジャーからオファーがあれば、その時点でFA(フリーエージェント)にする方法だと聞いています。仮にイチローが開幕から安打を量産すれば、メジャーのトレード期限の7月31日までにオファーがあるかもしれない。なかったとしても、年間通じて結果を残すことが証明できれば、来年オフはメジャーでもレギュラーのオファーが届くかもしれません。国内で結果を残せなかったり、数字を残してもメジャーのオファーがないようなら、最終的に神戸で日本球界に恩返しをするという本人の希望にも沿えますからね」
本気で優勝を狙うオリックスと、最終的にメジャーで1本でも多くのヒットを量産したいイチロー。両者にとってうまみのある裏ワザではある。