オリ宮内オーナーの野球熱再燃 ナインは街を歩けなくなる
阪神のお株を奪う巨額投資だ。
入団が決定した中島裕之(32)の年俸は3年総額14億円強。阪神との争奪戦を制したオリックスは今オフ、目玉の中島をはじめ、FAで前日本ハムの小谷野を獲得。前DeNAのブランコ、前広島のバリントンとの契約合意も間近だ。国内FA権を行使した金子の残留も秒読みといわれ、総額で20億円超の大補強である。
今季は142試合目にソフトバンクとの最終決戦で涙をのんだものの、前年5位から2位に躍進。宮内オーナーの野球好きの血が騒いだのだろう。11月にオーナー報告に来た森脇監督へソフトバンクへのリベンジを厳命した上で、金子の入札制度によるメジャー移籍も認めなかった。今年は、1試合平均で約3000人の観客動員増を達成。増収も後押ししている。
イチロー(ヤンキースからFA)らを擁した90年代は常勝チームだった。近年はBクラスが指定席。パでは唯一、21世紀になって優勝を果たしていない。
■神戸・三宮でも見向きされず
04年の球界再編では消滅した近鉄を吸収し、新規球団の楽天との分配ドラフトで優先的に選手を獲得した。昨季はその楽天が日本一に輝いた。関西では阪神の人気にのみ込まれ、プロ球界全体を見ても、存在感は薄かった。チームには金子、糸井という代表入りする選手がいても、関西のスポーツ紙は連日、阪神一色。在阪のテレビ局で取り上げられることもほとんどない。