ヤクルト由規も鍛えられた仙台育英の 「Pトレマツバ体操」
「『Pトレマツバ体操』だけは本当に嫌で仕方がなかったですね」
2年夏から3季連続出場。3年夏には甲子園最速の155キロをマークした由規(ヤクルト・25)が高校当時を振り返る。
「Pトレ」というのは、ピッチャートレーニングのこと。一塁ベンチ前のファウルラインから、つま先立ちで外野フェンスまでの約100メートルを往復するなど、約15種類のメニューがある。「マツバ体操」とは体幹を中心とした筋トレ。腹筋、背筋、腕立てなど5種類ほどあり、全員で3セットずつこなす。
「基本的に火、木、土が『Pトレ』、水、金が『マツバ』。日曜は試合がなければ『Pトレマツバ』でこれが一番つらかった(苦笑い)。『マツバ』は最後に室内練習場に吊るされたロープを3回ほど上り下りする。ビルの3階ほどの高さ(約8メートル)もあって、僕は足を使わないと上れませんでしたが、中にはあぐらをかいた姿勢から手だけでスルスルとロープを伝っていく仲間もいました。すべてのメニューをこなした後に、投げ込みをしようと思っても、腕が上がりませんでした(苦笑い)」