トライ数世界記録の大畑大介さんが語る松尾雄治さんの“粋”
18日から開催されるラグビーW杯のイングランド大会。代表試合通算トライ数69の世界記録を持つ大畑大介さんは、世界の“レジェンド”のひとりとして開会式に参加する。その大畑さんがラグビー選手として憧れ、人生の先輩として目標にしているのは70~80年代、ラグビー界のスーパースターだった松尾雄治さんだ。
生まれ育った大阪の下町では、周りはみんな野球少年。僕は同じことをするのが苦手で、野球と違うことで周りを振り向かせたいと思っていました。そんな時一番近くにあったのがラグビー。オヤジがやっていたからで、ほかの親子が野球のナイター中継を見るような感覚で、オヤジとラグビーを見て育ったんです。
小学校3年でラグビーを始めた頃に、新日鉄釜石が7連覇。その時にスタンドオフとして活躍していた雄治さんの存在が際立って見えました。どのプレーに感動したとか、技術がどうというより、国立競技場の大観衆の中にいる雄治さんの存在に幼いながらにオーラを感じた。
最初にお会いしたのは京都産業大学時代、日本代表に選ばれた頃。雄治さんが代表合宿に取材に来ていて、合宿所のサウナに入ってはった。ボクが後から入っていったら「キミ、いい体してるねえ」なんて言うから、「ちょっとスポーツやってるんですよ」ってとぼけて挨拶して。知ってるわ! っちゅう話ですよね(笑い)。一対一で話したのは、この時が初めてのような気がします。