JOC山下泰裕会長の療養離脱からはや1年…三屋裕子代行でも“無問題の大問題”
もうすぐ1年が経つ。
日本オリンピック委員会(JOC)の尾県貢専務理事が去る10日、昨年10月から頸椎損傷で療養中の山下泰裕会長(67)について、今後も三屋裕子副会長(65)が会長代行を務める方針を明らかにした。
昨年6月に再選され、3期目に突入した矢先のアクシデント。パリ五輪での職務復帰はかなわず、JOCのトップが1年近く、椅子を空ける事態が続いている。
それ以上に問題なのは、会長不在がJOCの運営にさほど影響を及ぼしていないことではないか。
会長就任から9カ月が経った2020年3月、コロナ禍による東京五輪の1年延期を協議するIOC(国際オリンピック委員会)バッハ会長と安倍晋三首相(当時)の電話会談の場に、山下会長の姿はなかった。大会組織委員会副会長の肩書を持ちながら、完全に蚊帳の外。当時、「いま、この状況で『ぽっと出』では力になれない」と自虐的な発言をしていた。
“お飾り会長”を露呈する一方で、これまで公開されてきたJOCの理事会を一転、非公開に。東京五輪後に発覚した汚職事件についても苦言を述べるにとどまり、山下会長からの抜本的な対策や改革の提案はなかった。それ以降、国民のオリンピックに対する不信感が募り、30年の札幌五輪招致の機運は上がらず断念。このときも会長の存在感は極めて薄かったと言わざるを得ない。