高校生から即戦力重視なぜ? 巨人ドラフト戦略大転換の内幕
「投手も野手も即戦力が欲しい」
巨人の山下スカウト部長がこう言った。
22日のドラフトが2日後に迫った20日、都内の球団事務所でスカウト会議を開いた巨人の戦略が大きく転換した。7人に絞ったという1位指名候補の中で、高校生は今夏の甲子園優勝投手の小笠原(東海大相模)1人だけ。リストには投手で桜井(立命大)、多和田(富士大)、熊原(仙台大)、岡田(大商大)、野手で高山(明大)、吉田(青学大)と即戦力候補がズラリと並んだ。
9月の会議で1位候補の最有力になっていたはずの俊足強肩外野手のオコエ(関東第一)やMAX152キロ右腕の高橋純平(県岐阜商)ら高校生が外れ、新たに立命大の桜井が浮上。球団関係者が「1位が将来性より即戦力重視に傾いたのは監督交代劇と無関係ではない」とこう言った。
「兼任打撃コーチを1年やったとはいえ、高橋由監督誕生なら指導者経験はほぼゼロ。現役続行を希望していた本人に引退してもらって引き受けてもらう以上、来季は恥をかかせられない。下降線をたどっている今の戦力を少しでも整備しないと球団だって不安です。確かにオコエの人気は捨て難い。外れ1位で指名する可能性はあるでしょうが、1位を抽選で外した場合も社会人捕手のトヨタ・木下が外れ1位候補に浮上しています」