アマ球界もブーイング 「野球賭博」問題で巨人ドラフト大打撃
「ったく、一体、巨人って球団はどうなってるんだ? 野球賭博だ、賭けマージャンだって、選手に何を教えてんだよ」
つい最近のことだ。パ在阪球団のスカウトが関東野球名門校のグラウンドに顔を出すと、名将といわれるベテラン監督から開口一番、こう言われたという。他球団のことだし、詳しい事情も分からない。
「ホントに、ねえ?」と曖昧に同調するしかなかったそうだが、「巨人ってだけで注目されて、選手は勘違いするわ、怪しげな連中は近づいてくるわで、こういうことになるんだろうな。だいたい一軍の選手だってシーズン中に合コンだなんだと週刊誌に……」と、ベテラン監督の持論は止まらない。
十数分後にようやく、「選手もなかなか育たない。これじゃあ、巨人に教え子を預けるのは不安だ、というアマの指導者はますます増えるよ」と言って、練習に戻っていったそうである。
その通り、そもそも補強に熱心な原巨人の方針に、クビをかしげるアマの指導者、特に高校野球の監督は少なからずいる。11年まで4年連続で新人王を出すなどして育成に舵を切った時期もあったものの、原監督が編成に一定の権限を持つようになって再び補強重視に逆戻り。球団の当初の予定ではとっくにレギュラーを取っているはずの高卒7年目の大田(25=08年ドラフト1位)、8年目の藤村(26=07年高校ドラフト1巡目)、中井(25=同3巡目)も結局、巨大戦力に埋没し、アマ球界から不評を買っている。
そこへ、高校野球賭博も絡む大不祥事の発覚。22日のドラフトを前に矢面に立つ巨人のスカウトが気の毒になってくる。