“王国”青森出身の新鋭・阿武咲は横綱稀勢の里もベタ褒め
阿武松部屋・20歳・東前頭14枚目
成長株の若手力士は誰か――その問いに多くの角界関係者が真っ先に名前を挙げるのが、この阿武咲だ。
相撲の盛んな青森県出身で、弱冠20歳。三本木農業高校を1年で中退し、プロの道を選んだ。
相撲記者が言う。
「青森県は過去に横綱6人を輩出するなど、日本有数の相撲王国。アマチュア相撲も盛んで、各地に相撲道場もある。これは昔の話だが、寺社に奉納する宮相撲の横綱、大関ともなれば、それだけでタニマチが付き、家族を養うのも困らなかったほどです。阿武咲も幼少期から相撲に熱中。ただ、これほど才能のある青森出身力士が阿武松部屋に入門するのは珍しい。多くは伊勢ケ浜部屋に行くものですが……」
青森県出身の伊勢ケ浜親方(元横綱旭富士)は、地元で絶大な政治力を誇っている。
同郷の故・鳴戸親方(元横綱隆の里)でさえ、故郷の有望な若手には手を出せなかったほどだ。
それでも阿武松部屋に入門したのは、縁があったからだ。阿武咲は小学校6年時に全日本小学生相撲優勝大会に出場。この大会は国技館で行われ、その時の宿舎が阿武松部屋だった。