ウクライナ出身の安青錦新大は柔道出身のテクニシャン…日本語の習熟は「恐ろしく早い」と評判
獅司に続く、2人目のウクライナ出身力士。母国で柔道に励んでいたところ、たまたまマット型の土俵を見かけたのが相撲との出合い。見よう見まねで相撲を取ってみると、これが存外面白くてハマったという。
「2019年に大阪で行われた世界ジュニア相撲選手権に出場するため、初来日。関大相撲部で稽古をし、3位入賞の好成績だった。帰国後はレスリングの国内大会で優勝するなどアスリートとして期待されていたが、本人は日本で力士になるのが夢。当時からユーチューブなどで日本の相撲の動画を熱心に見ていたそうです」(マスコミ関係者)
そんな折、22年にロシアがウクライナに軍事侵攻。安青錦は縁があった関大相撲部主将に連絡し、再来日。主将の家に居候をしながら相撲の稽古に邁進し、同年、安治川部屋の研修生となった。
193センチ・166キロの獅司、198センチ・193キロの元大関把瑠都ら、欧州出身力士は巨体が多いが、安青錦は182センチ・136キロと軽量級。
「パワーに頼らず、技術で勝負するタイプ。低い姿勢で頭をつけ、出し投げを決める姿は、それこそ師匠の元関脇・安美錦さながらです。正式に入門して3年目、前相撲を含め今場所が10場所目とはいえ、関大で稽古をしていたこともあり、技術は申し分ない。研究熱心で、ハングリーさもある。さらに日本語の習熟が恐ろしく速く、取材でも記者の質問に日本語ですらすら答えている。母国で日本語の勉強をしていたわけでもない。才能でしょう」(同)