木浪と近本は数試合で…矢野阪神「4番・大山」の賞味期限
また不発だった。
前日は乱打戦を制した阪神。この日(10日)は相手先発浜口の前に、わずか1安打の完封負けだった。
打線が沈黙する中、4番のバットが火を噴けば試合の流れはガラリと変わるものだが、今の阪神にそれを求めるのは「八百屋で魚」だ。大山はここまで12球団の4番でただひとり本塁打がない。楽天の4番島内もホームランはないが、求められているのはつなぎ役。事実上の4番は次打者のウィーラー(4本塁打、14打点)だ。
矢野監督は開幕からルーキーの木浪(ホンダ)と近本(大阪ガス)を1、2番で起用。新生阪神の目玉のひとつだった。オープン戦で12球団最多の22安打(同新人最多安打)を記録した木浪はしかし、開幕からサッパリ。矢野監督は5試合目でスタメンから外し、近本も9試合目からベンチに下げた。
ところが、打率.214、3打点の大山については打順変更やスタメン外しは考えていないようだ。
あるOBが言う。
「矢野監督は、1、2番の選手起用は当初から柔軟に考えていたという。1、2番が枝葉なら、4番は木の幹に相当する部分。腹を据えて育てるつもりだし、4番の重圧は自分の力で乗り越えて欲しいと思っている。とはいってもですよ、木浪、近本をスタメンから外すのは早過ぎた。バッテリーの攻めはオープン戦より厳しくなるのは当然だし、せめて5球団との対戦が一回りするぐらいは我慢してもよかった。矢野監督はああみえて金本(前監督)以上に短気なところがある。大山の長打が11試合で二塁打1本だけというのはあまりに寂しい。状態が上がってこなければ、来週あたり福留が4番を打っているかもしれんよ」