骨折でもサイクル達成 阪神梅野“休むに休めぬ”チーム事情
「自分がまさか達成するとは。めちゃくちゃうれしいです」
阪神の梅野隆太郎(27)が9日のDeNA戦で史上69人目となるサイクル安打を達成。大逆転勝利に貢献した。
この梅野は去る2日の巨人戦で、内野安打を放った際に一塁ベース付近で転倒。左足薬指を骨折した。それでも自ら志願して試合に出ており、「勝利に貢献するためと自分にプレッシャーを与えてやっている。いい結果が出ているので続けていきたい」と意気込んでいる。矢野監督も「頼もしく思う」と信頼を寄せている。
ライバル球団のスコアラーがこう言う。
「骨折箇所への負担を考慮しているのか、前の左足をリラックスした状態で踏み出している分、力むことなく打てている。打撃に関してはケガの功名といっていいでしょう。とはいえ、痛みはあるだろうし、捕手はただでさえ負担が大きいポジション。開幕直後に無理をすることが後々に影響しても不思議ではない。球団によっては強制的に休養させるようなケガですから」
阪神は昨季、17年ぶりの最下位に低迷。今季も開幕8戦目まで1ケタ安打で3得点以下という、球団ワースト記録まで作った。
責任感の強い梅野とすれば、こんな状態で休むに休めないというのが正直な気持ちではないか。この日は今季最多の15安打12得点。梅野の大活躍によって打線に活気が戻りつつある。他の選手がもっと梅野の負担を軽くしてやらなければバチが当たる。