0-4惨敗にも動じず 久保建英がチリ戦後に垣間見せた自信
6月17日 月曜日
「南米の地で南米の国に勝利がないというデータはあるかもしれないが、日本代表はロシアW杯でコロンビアに勝って新たな歴史を作った。今回のコパ・アメリカでも過去になかった勝利というデータをつかみ取れるように頑張りたい」
日本代表の森保一監督は南米王者・チリとの初戦(サンパウロ)に並々ならぬ意欲を示していた。が、17日の大一番は序盤こそ善戦したものの、0-4の惨敗。強豪との実力差を突き付けられる結果となった。
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2015・2016年大会2連覇中のチリへの期待値は現地でも非常に高い。母国からのサポーターも大挙して現地を訪れていた。モルンビー・スタジアムに集まった2万3253人の観衆のうち、8割方がチリの応援。「アレクシス・サンチェス(マンU)とバルガス(ティグレス)のゴールで2-0で勝つよ」「ビダル(バルセロナ)もいるから3-0だ」といった自信満々の声が試合前の会場付近のあちこちから聞こえてきて、日本は間違いなく劣勢だった。
下馬評を覆すべく、指揮官が打って出た秘策は4バックの採用。東京五輪世代はチーム立ち上げ時から3バックを軸にしてきたが、「今回呼んだメンバーを見て4枚で行こうと決めた」と打ち明けた。3トップのチリに対して数的優位になれる4バックが有効という考えもあったのだろう。
加えて快足FW前田大然(松本山雅)を慣れない右MFに置くというサプライズも披露。森保監督はリスクを冒して勝ち点を狙いに行った。
序盤こそ作戦的中かと思われたが、時間の経過とともに押し込まれ、守備陣に綻びが生じ始める。前半終了間際のCKからの1失点が重くのしかかり、後半9分にはバルガスに2点目を献上。これが致命傷になった。前述のファンの予想通り、バルガスとサンチェスの両FWに点を取られて完敗。「5バックにしていればもう少し違った守り方ができたと思う」と守備リーダーの冨安健洋(シントトロイデン)も悔やんだが、森保監督の大胆采配が裏目に出た格好になってしまった。