ワースト2位の被本塁打 G菅野を巣くうスライダー“一発病”
逆転で広島を下し、巨人がマジックを19とした28日の試合。先発したエースの菅野智之(29)は不安を残した。初回、菊池涼のソロ本塁打で先制を許すと、三回には西川にも被弾。これで、今季の被本塁打はセのワースト2位となる20である。
元巨人投手コーチの高橋善正氏が、「一発を浴びたのは、いずれもスライダーです。今季の菅野は変化球、特にスライダーに頼っている印象が強い。直球はこの日も150キロ前後を記録した。本来、力で押せるだけの直球を持っていながら、甘く入ったスライダーを長打されるケースが目立つのです」とこう続ける。
「原因は2つある。今季は開幕から不振が続き、5月と7月には腰痛で登録抹消された。スピードは出ていても、直球のキレや制球に自信が持てない。そこで、決め球のひとつで制球をしやすいスライダーの比率が増えているのだと思う。もうひとつは投手心理。丁寧に投げようとする意識と変化球でかわそうという気持ちがイコールになってしまうことがある。スライダーは外角低めに制球できれば長打の危険はないが、高めに浮くとただの半速球で、打者にとってはこれほど打ちやすい球はない。もろ刃の剣なのです」
8月に入って3勝1敗と復調したかに見えるエースだが、変化球を多投する配球に本人の不安が表れているということだろう。今後も一発病の懸念がつきまとう。CSが不安である。