米ドラフト1000人指名漏れ 日本に候補者大量流入の可能性
4年総額1億円で入団
こうした事情を受け、アマ選手を抱える米国内の代理人の間で、日本球界への関心が高まっている。米国では契約金に納得せず、指名を拒否するアマ選手はゴマンとおり、高い評価を得づらい大学4年生はもちろん、より高額の契約金、年俸を得たいと考えるアマ選手にとって、日本球界は選択肢のひとつになるという。
米球界関係者は、「18年6月の全米ドラフトでブレーブスから1巡目指名(全体8位)されたスチュワート(20)が昨年5月、ソフトバンクと6年総額約8億円で契約し、新たな道筋がつくられたからです。スチュワートはブレーブスの契約条件に納得がいかず、フロリダの短大に進学。代理人が日本球界入りを視野に入れ、ソフトバンクが獲得した。彼のような全米トップクラスの実力がある選手は別格ですが、大学4年生を中心としたドラフトからあぶれる1000人の中には、日本のドラフトで上位指名されるレベルの選手は何人もいます」
と、こう続ける。
「日本のプロ野球は公式戦が縮小され、各球団の収入は減る。補強費も削減されるだろう。日本の球団の主な補強ターゲットになっているメジャー経験がある3Aの選手は、契約金、年俸などを合わせると1億円ほどかかる。それでも大きな成功を収める選手は一握りで、7~8割の選手が結果を残せないまま、日本を去っている。米国の新人を獲得するような冒険はできない、と考える球団は別にしても、同じ1億円をかけるのであれば、2~3年の契約で総額1億円を用意すれば、日本でプレーしたいと考える大学4年生の米国選手は出てくる。提示条件が良くなればなるほど、よりランクが高い選手を獲得できるかもしれない。彼らが日本で成功すれば、数年後にポスティングにかけて、獲得費用以上の入札金を得られる可能性もあります」
MLBを経ずに日本球界入りするアマ選手が増えれば、米国内で流出阻止に向けた動きが出てくるかもしれないが、それはさておき、日本の12球団にとって、米国の逸材を獲得する好機と言っていい。