体操日本男子はメダル量産期待大なのに…競技人口の多い女子が世界で勝てない2つの要因

公開日: 更新日:

■採点の新基準が追い打ち

「考えられる要因は2つある」と、体操関係者はこう語る。

「まず、男女で種目の性質に違いがあります。男子の6種目に対し、女子は4種目しかない。しかも段違い平行棒を除き、跳馬、ゆか、平均台は特に脚力や足のバネが重要になってくる。どうしても人種の壁が大きく働きます。一方の男子は平行棒や、あん馬、鉄棒、つり輪などバランス種目が豊富にある。この違いは大きいはずです」

 さらに女子に追い打ちをかけたのが06年から採用された採点の新基準だという。

「それまでは10点満点からの減点方式でしたが、06年から“上限のない”『Dスコア(技の難度)』と、10点満点から減点されていく『Eスコア(技の完成度)』の2本柱で採点されるようになりました。つまり、難しい技をやればやるほど得点が積み上がる。日本人の武器である技のしなやかさやキレイさを磨いても、高難度の大技を仕掛ける外国人選手に太刀打ちできなくなってしまった。ただでさえ女子は脚力ベースの種目が多いので……。フィギュアスケートでいうと、4回転をたくさん跳ぶロシア勢の女子に追い付けなくなっている状況に似ているかもしれません」

 前出の女子のエース村上は昨秋に引退。2年後に迫るパリ五輪までに、人種の壁を越える日本の女子選手は生まれるか──。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    山崎まさよし、新しい学校のリーダーズ…“公演ドタキャン”が続く背景に「世間の目」の変化

  2. 2

    ドラフト目玉投手・石垣元気はメジャーから好条件オファー届かず…第1希望は「日本ハム経由で米挑戦」

  3. 3

    ソフトバンクに激震!メジャー再挑戦狙うFA有原航平を「巨人が獲得に乗り出す」の怪情報

  4. 4

    米価暴落の兆し…すでに「コメ余り」シフトで今度こそ生産者にトドメ

  5. 5

    「えげつないことも平気で…」“悪の帝国”ドジャースの驚愕すべき強さの秘密

  1. 6

    阿部巨人V逸の責任を取るのは二岡ヘッドだけか…杉内投手チーフコーチの手腕にも疑問の声

  2. 7

    大富豪の妻と離婚でファン離れ? イケメン既婚者俳優ディーン・フジオカの気になる今後

  3. 8

    自民×維新は連立早々に“成田離婚”も? 政策も理念も、「政治とカネ」に対する意識も、政治姿勢もバラバラ

  4. 9

    山崎まさよし公演ドタキャンで猛批判 それでもまだ“沢田研二の域”には達していない

  5. 10

    首相補佐官に就く遠藤敬氏に世間は「Who?」…維新の国対委員長が連立政権「キーマン」のワケ