平戸海雄貴は近年では珍しくなった中卒力士 その並外れた努力と根性
22歳・境川部屋・前頭16枚目
体格に恵まれているわけではない。天性の素質があるわけでもない。しかし、気力と根性だけは誰にも負けない。
【写真】この記事の関連写真を見る(11枚)
近年、めっきり減った中卒力士。地元の平戸市立中部中学校を卒業すると、同じ長崎県出身の元小結両国が師匠を務める境川部屋に入門した。
コツコツと番付を上げ、入門6年目の去年9月場所後に十両昇進。そこからは早く、十両は5場所で通過し、今場所新入幕を決めた。古株のタニマチ筋が言う。
「昔はああいうお相撲さんがたくさんいたんだよね。中卒の叩き上げで、ひたすら努力を重ねて……。平戸海はそんな時代を彷彿とさせる力士。小柄だけど、闘志を前面に押し出す相撲が持ち味で、気迫で相手を圧倒できる。境川部屋は昔ながらの猛稽古をする部屋として知られる中でも、平戸海が一番稽古をしているんじゃないかな。最近は根性論が否定される風潮があるが、平戸海を見ていると根性もバカにできない。以前は細かったけど、十両に上がる1年くらい前から急に体格が大きくなり出した。地道な稽古の成果だろうね」