堀琴音、金田久美子、小祝さくら…アマチュアに役立つ人気女子プロのテクニック
【アイアン編】金田久美子
2022年のシーズン終盤に11年189日ぶりというツアー最長ブランクで2勝目を挙げた金田久美子のスイングは、トップでの右肘とフィニッシュの左肘の高さが同じで、とてもコンパクトです。
アイアンがうまく打てないというアマチュアには、ぜひマネてもらいたい見本です。
■左右の肘を意識してコンパクトなスイングづくり
アマチュアの場合、スイング中の力みが強く、バックスイングで左肘を安易に曲げる傾向があります。ダウンスイングでは、曲がった腕を伸ばそうとして、早くコックをほどくとダフリ、遅れるとスライスの原因となります。またこれを嫌うために、右肘や右腕をインパクトで返す動きが見られ、球筋が安定しません。
また、インパクト直前にスイングの詰まりがあると腰が浮いたり、前傾姿勢を保てなくなります。
つまり、手の通り道が乱れる原因になり、右手を強く返すと、その反動で左肘が引けてしまうのです。
アイアンは飛ばすクラブではなく、狙ったポジションにボールを運ぶためにあります。
ところがアマチュアはアイアンを手にしても、少しでも遠くに飛ばそうと振り回しすぎです。だから地面にあるボールに正しくコンタクトできない。
そこで、肘を支点にスイングづくりを目指すといいでしょう。反動を使って体を大きく揺さぶるのではなく、スイングプレーンが安定し、ミート率がアップします。
まず、バックスイングは右肘を常に地面に向けてクラブを上げていきます。大きく振りかぶらず、手の位置は右肩まで。フィニッシュも手の位置は左肩の高さまでとスリークオーターショットの要領でOK。
右肘、左肘のポジションを意識するだけで、決して背中までクラブを振り切る必要はありません。
もちろん小さなトップといっても、上体の捻転は必要です。プロはスイング中にクラブが動く右腰から、左腰までをビジネスゾーンと呼び、ここでの軌道が安定すれば賞金を稼ぐことができるといわれています。
コンパクトなスイングでも打点が安定すれば、かえって飛距離アップも期待できます。グリーンをとらえ、ピンを狙うアイアンショットに大きなスイングは必要ないとわかるでしょう。