堀琴音、金田久美子、小祝さくら…アマチュアに役立つ人気女子プロのテクニック
【ドライバー編】堀琴音
堀琴音の2022年シーズンは開幕2戦目から2位、優勝、5位、2位と4戦連続トップ5のスタートダッシュに成功し、メルセデスランク9位の大活躍でした。
163センチ、53キロの細身で、ドライバーショットでは右わきが大きく開き、クラブを真上に上げるスイングが特徴です。
■高いトップからヘッドスピードを加速させる
ボールが飛ばないと悩むアマチュア、とくにパワーの衰えを嘆くシニアには堀のスイングはヘッドスピード加速に役立ち、ぜひ参考にするといいでしょう。
堀は「フェードヒッター」をイメージしてスイングを極めています。ただ、手上げではなく、バックスイングでは右肩を後方に引く意識でクラブを上げているので腕だけで上げるスイングと違って、胸や肩が回転したトップとなります。
ところがアマチュアの多くは、肘を引きながらクラブを上げているのでインサイドに上がりやすくトップ位置が低い。
すると、シャフトクロス(トップで飛球線とシャフトが交差する状態)になり、ダウンではクラブが鋭角的に下りて、スピン量が増えて飛距離がロスします。同時に、シャフトクロスからプレーンに乗せようとクラブを寝かす動作が強く入ると、右へのミスや、チーピンのミスを誘発する原因となります。
その点、堀のように右肩を使ってトップを高く上げるとダウンスイングでシャフトのねじれが少なく、さらにクラブと手が引力に任せて落下するエネルギーを利用でき効率よくヘッドを走らせることができます。
ポイントがいくつかあります。1つ目は右肩をしっかり後ろに引き、胸をできるだけ飛球線後方に向けて回すこと。一見すると右肘がフライングエルボーになっていますが、悪くありません。飛ばしの秘訣です。
そして2つ目は、トップの切り返しからインパクトにかけて右肘を右わきに向かって下ろすこと。スイングに締まりが生まれて、フェースの動きが安定します。堀のフェアウエーキープ率76.3590%(ランク9位)がなによりの証拠でしょう。
往年の有名プロは、年を重ねるごとにトップが低くならないように練習しています。アマチュアも同じです。30代、40代、50代と年齢とともにトップは低くなっていきます。するとインパクトまでヘッドが動く助走距離が短くなり、遠心力が使えず、ますます飛ばそうとして力み、手打ちの傾向が強くなる悪循環に陥ります。
堀のように高いトップを目指すことで飛距離アップはいくつになっても可能です。