永田町の裏を読む
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菅内閣は個別政策のみで長期的ビジョン・社会像が見えない
「木を見て森を見ない」のが菅義偉首相の思考方法の最大特徴である。個別・具体的な政策はあるのだが、それがその課題全体の中でどう位置づけられるのかは語られることがなく、ましてや政権としてのビジョンなり目指…
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菅首相の初外遊の目的は武器輸出を成長戦略の柱にすること
菅義偉首相が初外遊先をベトナムとインドネシアとしたのは、かつて第1次安倍政権の時に安倍が初外遊先をあえて米国ではなく中国にしたひそみに倣って、低空飛行から入ってアジア諸国との信頼を積み上げていくなか…
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「安倍なき安倍政権」という首なしお化けのような新政権
せっかく安倍晋三首相が退いたというのに、後を襲うのが菅義偉官房長官というのでは、何の代わり映えもせず、国民の目線からすればむしろ大迷惑である。 だってそうでしょう。第2次安倍政権の7年8カ月…
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安倍“首相”になっても変わらなかった一知半解の政界遊泳
安倍晋三首相が辞意を表明して、軽い虚脱感を覚えている。というのも、この連載は、2012年12月26日に第2次安倍内閣が発足し、年が明けて動き出したばかりの13年1月12日付から開始して、本紙の休刊日…
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河井夫妻の立件の仕方に疑問…検察はヤル気を失っている?
河井克行・案里夫妻を公職選挙法の買収罪に問う裁判が始まった。 多くの解説が、夫妻の派手な現金バラまき行為が厳しく罰せられるのは当然として、その金を受け取った側の地元首長や議員ら100人が、い…
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踏んだり蹴ったりになりそうな「首相最長不倒達成記念日」
周知のように、安倍晋三首相の連続在任日数が来週月曜日(24日)に2799日に達し、大叔父の佐藤栄作を超えて明治以来歴代トップとなる。が、それを祝おうという声は自民党内からも取り巻き、側近たちからも上…
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コソコソ逃げる安倍首相は、なぜそんなに会見が嫌なのか?
8月6日、広島での安倍晋三首相の久々の記者会見に出たベテラン政治記者が言う。 「体調不安説も出ている中、確かに顔を見ても、むくみなのかたるみなのか、肌に張りがなくてあまり元気そうには見えない。…
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民主党政権にも及ばなかった「戦後最長の景気拡大」の嘘
安倍政権が嘘ばかり言って、それがバレそうになると言い訳や言い逃れを並べ立て、それでも済まなくなると国会を閉じて総理の記者会見も開かないというのは、これまでもさんざん繰り返されてきたことなので、いまさ…
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7条解散に異議「解散権」に関しては石破茂氏の正論に期待
安倍内閣がよろず行き詰まりに陥る中で、政権批判のトーンを上げつつある石破茂元幹事長だが、そのテーマのひとつが「解散権」。彼は7月2日の共同通信社での講演で「7条解散は憲法論から『すべきではない』との…
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間抜けの象徴「アベノマスク問題」今なおだらしなく進行中
アベノマスクをいまさら話題にするのもうっとうしいが、依然として進行中のことなので問題点を指摘しておきたい。 第1に、4月1日に安倍晋三首相が誇らしげに宣言して17日に配布が始まり、菅義偉官房…
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「雪駄の雪」は公明党ではなく自民党の方ではないのか?
このところ自民党と公明党の間は隙間風どころではない冷たい風の吹き抜け方で、自民党のベテラン秘書に言わせると「公明党はすでに安倍晋三首相に見切りをつけ、ことあるごとに『安倍と心中するつもりはありません…
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災いを転じて福となすつもりで考え直す「コロナ後の社会」
コロナ禍のさなか、欧州では、単に以前の経済生活を早く取り戻そうというだけでなく、これを機会にむしろこれまでの暮らしぶりを見直して、新しい社会のあり方に向かって踏み出すきっかけにしようという、文明論的…
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回顧録より総括が必要な安倍政権の「ボルトン依存症」
トランプ米大統領のほとんど冗談としか思えないほどの無知・無能ぶりを赤裸々に描いたジョン・ボルトン元安保担当補佐官の回顧録が発刊され、ボルトンがまるで勇気をもって政権の内幕を暴露した内部告発者であるか…
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独自性を打ち出した者ほど「ポスト安倍」に浮上する政局
国会の会期末前後から、「秋に解散・総選挙か」という観測が永田町内で盛んに流れていて、出元を探るとたいていは安倍晋三首相の周辺である。 典型的には、首相の盟友と呼ばれる甘利明=自民党税制調査会…
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都知事選に山本太郎が立候補を表明した理由と野党の困惑
18日告示の東京都知事選の直前になって、れいわ新選組の山本太郎代表が立候補を表明したことについて、野党の有力幹部が苦々しげにこう語る。 「このタイミングで出てくるのは、完全に政治音痴でしょう。…
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思い込みを排し事実に基づいて淡々と検証する事が必要だ
米国や日本の保守系メディアでは、新型コロナウイルスの発生源である中国が対応の初期段階で情報を隠したためにパンデミックが起きたとして、中国を非難する論調があふれている。 典型例を1つ挙げれば、…
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解散・総選挙を打つ力もない安倍総理は早々に見限られる
自民党の下村博文選対委員長が30日の講演で、次期衆院選について「すぐにできる状況ではない。来年10月の衆院議員任期満了に限りなく近い時期になる気がする」と述べた。どういうことなのか、自民党のベテラン…
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安倍は森友と桜の2大疑惑が同時に司法の手にかかり断末魔
安倍晋三首相は、賭けマージャンの黒川弘務前検事長を「訓告」処分で済ませて、この問題にサッサと終止符を打とうとしているが、そうは問屋が卸さない。 第1に、「森友学園」の国有地売却問題を担当して…
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20世紀的な価値観の問い直しを迫られるポスト・コロナ時代
早くコロナ禍が終息して日常生活が元に戻るよう誰もが願っている。しかし、覆水盆に返らずと言う通りで、世界も日本も、社会や経済のあらゆる領域も、何事もなく元の姿に戻っていくということは、決して起こらない…
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アベノマスクも10万円給付も根本は同じ小政治家の戦略不在
大政治家はいつも最悪の事態を予測し、そこに転がり込まないようしっかりと戦略を立て、そこから逆算して当面の手だてを考えるので、今の手がダメなら次の手も、次の次の手も、繰り出すことができる。 そ…