永田町の裏を読む
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「多国間主義の衰退」を警告した教皇の言葉をかみしめる
来日したローマ・カトリック教会のフランシスコ教皇は長崎での演説の中で、「私たちは多国間主義の衰退を目の当たりにしている」と述べた。 教皇は、核兵器の廃絶に一致結束、努力を続けることを訴え、そ…
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スキャンダルで目くらましする官邸の手法は見抜かれている
沢尻エリカの合成麻薬所持による逮捕は芸能ニュースとしてはトップ級で、11月17日付のスポーツ紙はみな大騒ぎ。日刊スポーツの場合、1面と31面のほぼ全部、さらに30面の半分の合わせて2ページ半を費やす…
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物事の本質触れず都合のいい数字だけ持ち出す「安倍語法」
「文芸春秋」12月号の安倍晋三首相インタビューには心底、驚いた。「失敗が私を育てた」と題しているから、この20日で桂太郎の2886日を超えて歴代最長になるとかいう長々しい在任期間中の数々の失敗について…
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解散も改憲もできずアベの政治的命脈が尽きようとしている
安倍晋三首相の政治的命脈が尽きようとしていることについて、年季の入った永田町ウオッチャーたちの見方はほぼ一致している。自民党のベテラン秘書が言う。 「内閣改造から1カ月あまりのうちに2人の大臣…
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中国ナンバー2が「独創的な歴史解釈」を評価する意味は?
即位の礼に中国を代表して参席したのは王岐山国家副主席だった。この人について、毎日新聞の山田孝男特別編集委員がコラムで「元は歴史学者で日本史にも明るく、独創的な歴史解釈で知られる岡田英弘を評価している…
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安全保障上の危機は外よりも先に内側から迫り来ている
旧知の都市工学の教授と語る機会があった。安倍晋三首相ほど無知蒙昧、一知半解にまみれた指導者も珍しいが、その中でも彼の最大の勘違いは「日本の安全保障上の危機はどこから迫り来るか」についての認識ではない…
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任期中に改憲をやり遂げるつもりか 党内でも分かれる評価
安倍晋三首相が残り2年の任期中に、本当に憲法改正をやり遂げるつもりなのかどうか。自民党内でも大きく評価が分かれている。「やる気なし」とみる某中堅議員はこう言う。 「10日の衆院予算委員会での首…
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「さよならテレビ」はテレビ局が抱える“闇”の一端が見える
東海テレビ制作の映画「さよならテレビ」の試写を見た。数々のドキュメンタリー作品を世に問うたことで知られる同社の取材班が、なんと、自社の夕方のニュース番組を制作する報道局の現場を2年間にわたって追跡し…
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会社の言いなり労組は無用の長物 自民党支持に転換しては
なかなか進まないだろうとみられていた立憲民主党と国民民主党の統一会派結成が、立憲が主導権を握る形で進展しているため、電力総連が慌てているという。電力会社の労組からなる同総連は、脱原発をはっきりと掲げ…
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関係改善? かりそめの日中友好ムードはいつまで続くのか
先週、2年ぶりに中国を訪問して共産党中央に近い筋や日中関係に携わる要路の方々と意見交換する機会があった。 日韓関係と違って、日中関係にはこのところトゲトゲしいやりとりはなく、それどころか年内…
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日本の官邸とホワイトハウスのパイプは両端で断ち切られた
“クレージー・ボルトン”と陰で呼ばれていたネオコン過激派のジョン・ボルトンが安保担当補佐官の座を追われたことは、世界にとっては朗報だが、安倍晋三首相にとっては悲報といえるだろう。周知のように、安倍は…
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野党共闘の連勝を次の衆議院選挙にどうつなげるかが課題
8日投開票の岩手県知事選で、立憲・国民・共産・社民が共同推薦する現職の達増拓也が40・3万票対15・6万票と、ダブルスコア以上の票差で自民・公明推薦の新人を撃破したことは、野党共闘にとって意義深い。…
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納税するも…日本の投票率の低さと税に対する意識の相関性
学者やジャーナリストが数人集まった席で「なぜ日本では、これほどまでに投票率が低いのか」という話になった。 ある学者は「学校教育の問題だ」と言った。 「歴史の時間に近現代史をほとんど教え…
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「尖閣周辺への侵入頻度が激化」というフェイクニュース
ネット上で「尖閣諸島周辺海域への中国公船の侵入頻度はますますエスカレート」しているのに「日本国内ではそのことをメディアが伝えていない」のはけしからんと憤激している論者がいた。私はかねてこの問題に関心…
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秋の内閣改造は“やる気バージョン”か“お疲れバージョン”か
安倍晋三首相は、河口湖の別荘に逗留してゴルフやバーベキューを楽しみつつも、じっくりと秋の内閣改造と党人事の構想を練っているという。そこで、旧知の自民党大物秘書氏に見通しを尋ねた。彼はいきなりこう言っ…
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韓国に対する輸出規制 東アジア大循環をブチ壊す自損行為
日本政府が韓国に対する事実上の“報復”として半導体関連の輸出規制に踏み切ったことが、ブーメランのように戻ってきて日本自身を傷つけるそのダメージは、一般に想像されるよりはるかに深刻である。 規…
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戦略不在で成果なし…幼稚化に拍車をかける「官邸外交」
安倍晋三首相の「得意分野」は外交だということになっていて、先の参院選でも自民党公約の筆頭に「世界の真ん中で、力強い日本外交」を掲げたりもしていたが、考えてみると単に外遊の回数が多いというだけで、レガ…
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参院選で公明党が比例得票数を大幅に減らした3つの要因
参院選後、公明党幹部の顔色が冴えないという。 「候補者を立てた7選挙区で全勝、比例でも7議席を確保し、改選11議席を3つも伸ばして大勝利のはずなのに、なぜ?」と関係者に問うと、意外な答えが返っ…
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参院選の結果が示す野党と労組の関係が激変している事実
参院選の開票結果の中であまり注目されていないのは、野党と労組の関係に激変が起きている事実である。 周知のように、1998年の第2次民主党結成で、旧社会党系やさきがけ系を中心とした第1次民主党…
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異次元緩和でジャブジャブにしたはずのマネーはどこへ?
最近、ある講演会で聴衆から「安倍さんはアベノミクスは成功したと言い張っていますが、異次元緩和と称してつぎ込んだお金は一体どこへ行ったのでしょうか」という質問があった。 その日は経済がテーマで…