喫茶店の経済学
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西荻窪「それいゆ」20人の従業員が“お姉さん”を支える
西荻窪界隈を生活圏とする人に「喫茶店といえば?」と尋ねると、多くが「それいゆ」と答えるという。そんな話を聞いて、どんな店なのか大いに興味が湧いた。 創業は昭和30年代。 「主人がトロン…
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早稲田「早苗」雀荘から喫茶店へ変化したマスターの遊び場
早稲田大学のOB、OGにとって、南門前の「早苗」は雀荘という認識だろうが、今は自家焙煎のコーヒー豆も販売する喫茶店である。 ■雀荘から喫茶店へ マスターの宇田川正明さんの親戚が戦後間も…
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築地「レンガ」30年以上はやり続ける条件は味、客、跡取り
どの街にも大手コーヒーチェーンが店を構える時代に、個人経営の「オンリーワン喫茶店」がどのように経営を成り立たせているのかを分析する。それが、このコラムの趣旨なのだが、今回取材にお邪魔した「レンガ」は…
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四谷「ロン」客層は変わってもタマゴサンドのうまさは不変
子供の頃、この店の前をバスで何度も通り過ぎた。周囲がどんなふうだったかはすっかり忘れているのに、ここだけを覚えているのは、4階建てビルの右手にある円柱が印象的だったからだ。店に入ると、2階へ続くらせ…
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上井草「genro&cafe」住宅地内の喫茶店の悩みと経営事情
西武新宿線上井草駅から徒歩5分。住宅街の中にある「genro&cafe(ゲンロ&カフェ)」の店先には、こんな看板が掲げられている。 「このようなやわらかい株立ちの雑木を各ご家庭の道沿いにも植え…
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志村3丁目「カフェ・ベルニーニ」物販と飲食の“二毛作”
自家焙煎珈琲屋「カフェ・ベルニーニ」に入ると、奥に大きなロースターが見える。一度に5キロの豆を煎ることができるという。店の広さを考えると、失礼ながら大き過ぎるのではないか。 もうひとつ疑問に…
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六本木「アマンド」はブランド力と復刻メニューが復活の鍵
今回は、やや番外編といえるかもしれない。何しろあの「アマンド」だから。 携帯電話がなかった時代に、六本木で待ち合わせといえば「アマンド前」が定番だった。が、店の創業地は新橋で1946年のこと…
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高円寺「アール座読書館」静謐が売り物の店ならではの苦労
喫茶店なのに、店名は「アール座読書館」。店の中では私語厳禁。取材対象としては極めて興味深いが、「きっと偏屈なオーナーなのだろうなあ」と身構えて足を運んだ。実際は真逆で、オーナーの渡辺太紀さん(写真)…
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亀戸「珈琲道場 侍」は“四天王” 武道と相通ずる接客が魅力
誰が言ったか知らないが、「東京珈琲四天王」という言葉がある。「珈琲道場 侍」はその一角だ。 定番のブレンドはニカラグアにあるカサブランカ農園の豆がベース。 注文ごとに豆をひき、ドリッ…
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茅場町「アンデルセン」誤算だらけの店だからこそ共に成長
「昭和レトロ」はあまりによく使われる表現なので、なるべく避けたいところだ。しかし「アンデルセン」は外観といい、内装といい、昭和レトロと言わずにはいられない店である。 だから、きっとご主人は「こ…
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野方「ばらーど」コーヒーやサンドイッチから伝わる心配り
この企画は必ずコーヒーやフードメニューの写真が掲載される。通常、取材の途中で店主に「ご自慢の一品を撮らせてほしいのですが」とお願いして用意してもらう。 野方の「ばらーど」は心配りあふれる店だ…
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神保町「ラドリオ」初代店主の心配りが生きる路地裏の名店
さして詳しくない人でも「喫茶店の聖地は神保町でしょ」などと口にする。それは今回紹介する「ラドリオ」や、以前紹介した「さぼうる」といった老舗の存在が大きい。ラドリオは戦後間もない1949年創業。今も当…
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西浅草「黒猫亭」横溝正史、日本酒、着物、お菓子が凝縮
テレビで何度も再放送となる映画「犬神家の一族」や「八つ墓村」をそのたびに見る。原作を読んだこともある。 しかし、その程度で横溝正史ファンとは言えそうにない。 そんな筆者が「お客の半分…
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溜池山王「シーザー」 大ボリュームで少なめの注文が殺到
どの街でも大手コーヒーチェーン店が幅を利かせる時代に、オンリーワンの喫茶店やカフェがなぜ長生きで、繁盛し続けるのかを探る。それがこの企画の趣旨だ。 港区にある溜池交差点の角にある小松ビルは建…
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信濃町「紺碧」休息と充足の提供こそが日本の喫茶店の基本
友人が「注文した品の代金とは別に、滞在時間30分ごとに100円のタイムチャージが発生するお店がある」と教えてくれた。 かつて取材した、似たようなシステムの店の経営者は若い起業家風の人だったか…
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銀座「珈琲 蕃」ウルトラマンAの元女性隊員が営む繁盛店
銀座には、喫茶店やカフェがひしめく。喫茶店の隣は喫茶店という立地も少なくない。「珈琲 蕃」はそんな激戦区で、約40年間にわたって営業を続けている老舗だ。 長く続いている理由のひとつは、おかみ…
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荻窪「宵待屋珈琲店」師匠譲りの真摯な工夫と営業ノウハウ
オンリーワン喫茶店に惚れ込み、そこで修業をして、自分の店を持つ人は少なからずいる。「お弟子さんは師匠から何を学び、どう自分らしさを出すのか」ということにはかねて興味があった。 そこで荻窪にあ…
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荻窪「宵待屋珈琲店」師匠譲りの真摯な工夫と営業ノウハウ
オンリーワン喫茶店に惚れ込み、そこで修業をして、自分の店を持つ人は少なからずいる。「お弟子さんは師匠から何を学び、どう自分らしさを出すのか」ということにはかねて興味があった。 そこで荻窪にあ…
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本駒込「caféちゃんと」営業形態も食材も自然体がモットー
地下鉄南北線の本駒込駅から徒歩8分。閑静な住宅街に「caféちゃんと」はある。喫茶店向きの立地とは言えないが、マスターの田所信浩さんは「あえてこの場所にしました」と語る。むろん駅前で店を開いた方が利…
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本駒込「caféちゃんと」営業形態も食材も自然体がモットー
地下鉄南北線の本駒込駅から徒歩8分。閑静な住宅街に「caféちゃんと」はある。喫茶店向きの立地とは言えないが、マスターの田所信浩さんは「あえてこの場所にしました」と語る。むろん駅前で店を開いた方が利…