本で読み解く激動の世界情勢の行方
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「2030年の世界地図」落合陽一著
10年後の未来はどうなっているのか。本書はこれを、近年、話題の「SDGs」に沿って解説する。 SDGsとは「サステナブル・ディベロップメント・ゴールズ」(持続可能な開発目標)の略で、「貧困の…
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「ポバティー・サファリ」D・マクガーヴェイ著 山田文訳
そのむかし「日の沈まぬ帝国」といわれたイギリスの栄光など、もはや伝説のかなた。EU離脱の国民投票にも驚いたが、その後のドタバタほどイギリスの凋落を決定づけたものはないだろう。12日の総選挙の結果を受…
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「『帝国』ロシアの地政学」小泉悠著
中国と並ぶ新興大国といえばロシア。しかしソ連崩壊後のロシアは自国を統合するアイデンティティーの欠如に苦しんできた。西は欧州、東は極東におよぶロシアは宗教も民族も多様。しかし共産主義時代のような統一理…
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「ニクソンのアメリカ」松尾文夫著
トランプ本は世に数あれど中身はどうも腰折れぎみ。報道界もどうやら「トランプ疲れ」らしい。本書は50年も前のニクソン政権について同政権の最末期に書かれた本の増補改訂版。なんだ、古い本かというのは早計。…
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「『アラブの春』以後のイスラーム主義運動」高岡豊、溝渕正季編著
チュニジアで大規模な民衆デモが起こったのが2010年暮れ。翌年1月には24年にわたったベンアリ大統領独裁体制が崩壊し、あっという間にアラブ社会一円に民主化の動きが広まった。だが、欧米社会が「アラブの…
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「ナチズムは再来するのか?」A.ヴィルシングほか編 板橋拓己ほか監訳
英EU離脱問題で揺れる欧州。フランスの未来は暗雲だが、頼みのドイツも極右派勢力が急伸中。「再ナチ化」なんてあり得ないと一笑に付すことができなくなりそうだ。本書はこの問題をふまえ、代表的な歴史学者・政…
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「習近平の中国経済」石原享一著
世界経済が、いまや中国抜きに語れないのは事実。しかし、その実態はどうか。GDP総額で中国がいずれ米国を抜くのは明白。その成長を支えるのは①スマホ決済②シェアサイクル③ネット通販④高速鉄道だという。た…
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「香港雨傘運動と市民的不服従」周保松、倉田徹、石井知章著
いま世界中のテレビニュース(ただし中国以外)で大々的な注目を集めるのが香港問題。直接のきっかけは「逃亡犯条例」への反対だが、2014年の雨傘運動からの因縁は明白。あれこそ若者だけの学生運動の域を超え…