最期は自宅で迎えたい 知っておきたいこと
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医師は病気を治せない。良くなるお手伝いをしているだけ
「病気が治る」という言葉があります。また、「症状が良くなる」という言葉もあります。 たとえばお腹が痛い方がいて、原因が末期がんであるとします。末期がんが治ってお腹が痛くなくなれば最高ですが、そ…
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最初は“他人”が自宅へ来ることに戸惑っていた患者さんが…
初めて在宅医療を受けた患者さんやご家族にとって戸惑うのは、それまで見知らぬ他人だった在宅医療スタッフが、ほぼ毎日のように自宅に訪れること。 そんな患者さんやご家族の方とコミュニケーションをし…
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マニュアルがないからこそ、患者に合った策を共に学んでいける
入院から在宅医療に切り替え、患者さんが自宅に戻られたその日からご家族が一番戸惑うことといえば、「様子がおかしいと思った時、どの程度なら医師に電話をしていいのか。どのタイミングで連絡すればいいのか」と…
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患者の旅立ち後、残された家族にとってもペットが心の支えに
前回、「ペットと一緒に療養生活を送れるのも在宅医療ならでは。ペットが患者さんの心の支えになっている」といった話を紹介しました。 最近亡くなった患者さんのカルテに、奥さまのこんな言葉が記されて…
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ペットがいるから「もっと生きたい」と療養生活を頑張れる
ペットと一緒に療養生活を送れる――。これも、在宅医療ならでは。実際、在宅医療を選択した患者さんの中には、自宅でペットを飼っている方が結構います。独居の方では、ペットと離れると寂しくなるし、ペットの面…
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「地域連携」スタッフが在宅医療開始前の不安や悩みを解消
在宅医療を下支えするさまざまな職種の中に「地域連携」という名のスタッフがいます。 患者さんが退院し、在宅医療を開始する時に、患者さんや家族に直接会い、要望を聞いたり不安を解消したりしながら、…
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主役は患者 食べるものも生活リズムもすべて好きなように
入院していれば当然ながら、患者さんの生活リズムは病院に合わせることになります。体温を測る時間、食事の時間、消灯の時間など、すべて病院側の都合になります。 それが在宅医療だと、一転して患者さん…
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「噛めない・のみ込めない」をサポートするのが言語聴覚士
言葉を介してのコミュニケーションには、言語、聴覚、発声・発音、認知などの機能が関係しています。しかし、脳卒中や咽頭がんなどの病気、交通事故、発達上の問題でこれらの機能が損なわれることがあります。それ…
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在宅医療では医師もスタッフもすべてが対等なパートナー
在宅医療は「医師」だけでなく、「看護師」「言語聴覚士」「管理栄養士」「作業療法士」「理学療法士」など、さまざまなスペシャリストによって支えられていますが、特に私たち診療所ではそんなスタッフをまとめて…
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在宅医療に不可欠な存在「ルートマネジャー」の役割は?
私たち「あけぼの診療所」では、現在約500人の患者さんを在宅で診ています。1日の訪問数は約60人。疾患としては、全体の半分ががんで、そのほかは脳疾患や呼吸器疾患などの患者さんが多くを占めます。 …
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「もしも」の時も慌てて救急車を呼ばずに主治医に電話を
在宅医療中の患者さん側の困り事には、基本的に「今困っていること」「私たちから見て客観的に困っていると思われること」「これから困るであろうこと」の3つに分けて考えています。 このうち予想のつく…
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地域医療連携が在宅医療患者と家族の不安を解消する
いま在宅医療では、「地域医療連携」というものを重視しています。これは、地域の医療状況に応じて、医療機能の分担と専門化を進めるもので、診療所や病院が相互に円滑な連携を図り補完しながら、それによりその地…
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患者のQOL維持が何より重要 食事も好きなものを好きな時に
病院から在宅医療に切り替えた患者さんやご家族から「病院食は食べられなかったけど、自宅に戻ったら少し食べられるようになりました」といった声をよく聞きます。 私たちの診療所には、診療パートナーと…
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MCSでうつ病患者の在宅医療を細やかにサポートできるように
在宅医療ではがんの患者さんに次いで多いのが高齢者の患者さんです。およそ4分の1が認知症関連の病気を持っており、さらにうつ病などの精神疾患を持っている方も少なくありません。 実は精神疾患の患者…
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家族をちゃんと家で看取れるか 心配な時はどうすればいい?
自分の死に場所は病院になるだろうと考えている人は多いのではないでしょうか。しかし、病院死と在宅死の割合が逆転し始めたのは1970年代の後半辺りから。現在では病院死が7割を超えていますが、50年ほど前…
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目指すは“断らない診療所”どんな患者でも最後まで寄り添う
私たちは日頃から、病院、訪問看護ステーション、地域包括ステーション、居宅介護支援事務所、地域包括センター、その他施設やケアマネジャーなど多くの業種や職種の方々と連携し、保険診療を一体となって支えてい…
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認知症でも独り暮らしでも在宅で最期まで問題なく過ごせる
さまざまな病気に対処できる在宅医療ですが、意外に知られていないのが認知症にも対応できるということです。私たちの診療所では、認知症は末期がんの次によく看ている病気です。 「認知症」といってもさま…
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口から食べられなくなった時の点滴は苦しみを増幅させる
口から食べたり水分を取ったりすることが困難になると、点滴をするのが当たり前だと、皆さん思っているのではないでしょうか。 実際、息を引き取るギリギリまで点滴を行う病院も珍しくはありません。 …
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「食」が生きる気力に 好きなものを好きな時に食べられる
病院から退院し、在宅医療に切り替えた患者さんが特に驚かれることに、「好きなものを食べたり飲んだりしていい」ということがあります。 在宅医療での食支援は、患者さんの状態の評価に加え、患者さんと…
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看取るまで家族はずっと患者の側についていなくてはダメ?
在宅医療を始めた家族が抱く不安や疑問で多いのが、医師にわざわざ来てもらわなくてもいいような、少し調子が悪くなっただけのときはどうすればいいのか? というものです。 「24時間365日対応」と聞…