著者のコラム一覧
下山祐人あけぼの診療所院長

2004年、東京医大医学部卒業。17年に在宅医療をメインとするクリニック「あけぼの診療所」開業。新宿を拠点に16キロ圏内を中心に訪問診療を行う。

患者の旅立ち後、残された家族にとってもペットが心の支えに

公開日: 更新日:

 前回、「ペットと一緒に療養生活を送れるのも在宅医療ならでは。ペットが患者さんの心の支えになっている」といった話を紹介しました。

 最近亡くなった患者さんのカルテに、奥さまのこんな言葉が記されていました。それは、「猫はね、やっぱり分かっているのかな。いつも主人がいた椅子に座らないですね」というもの。

 患者さんが旅立っていった後、残されたご家族の抱える喪失感の大きさは計り知れないものがあります。

 ただ、もしそこに患者さんに常に寄り添い、一緒に過ごしてきた喪失感を共有できるペットがいたなら、ご家族の方にとっては大きな救いになるのではないかと思うのです。

 91歳の男性で奥さまと2人暮らしの患者さんがいました。寒い季節になると、猫を抱っこして床に就くのが日課というほどに、日常生活に猫が潤いと温かさを与えていました。

 ある日、聴覚の衰えを訴えられたので、試しに補聴器の貸し出しをしました。すると、大きかった地声が小さくなり、TVの音量が下がっていきました。そして今まで意識していなかった猫の爪研ぎの音や、かすかな鳴き声が聞こえるようになったと、患者さんが大変喜ばれたことが、今でも思い出されます。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    「たばこ吸ってもいいですか」…新規大会主催者・前澤友作氏に問い合わせて一喝された国内男子ツアーの時代錯誤

  2. 2

    インドの高校生3人組が電気不要の冷蔵庫を発明! 世界的な環境賞受賞の快挙

  3. 3

    中森明菜が16年ぶりライブ復活! “昭和最高の歌姫”がSNSに飛び交う「別人説」を一蹴する日

  4. 4

    永野芽郁“二股不倫”疑惑「母親」を理由に苦しい釈明…田中圭とベッタリ写真で清純派路線に限界

  5. 5

    田中圭“まさかの二股"永野芽郁の裏切りにショック?…「第2の東出昌大」で払う不倫のツケ

  1. 6

    大阪万博会場は緊急避難時にパニック必至! 致命的デザイン欠陥で露呈した危機管理の脆弱さ

  2. 7

    永野芽郁「二股不倫」報道で…《江頭で泣いてたとか怖すぎ》の声噴出 以前紹介された趣味はハーレーなどワイルド系

  3. 8

    レベル、人気の低下著しい国内男子ツアーの情けなさ…注目の前澤杯で女子プロの引き立て役に

  4. 9

    永野芽郁“二股肉食不倫”の代償は20億円…田中圭を転がすオヤジキラーぶりにスポンサーの反応は?

  5. 10

    芳根京子も2クール連続主演だが…「波うららかに、めおと日和」高橋努も“岡部ママ”でビッグウエーブ到来!