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下山祐人あけぼの診療所院長

2004年、東京医大医学部卒業。17年に在宅医療をメインとするクリニック「あけぼの診療所」開業。新宿を拠点に16キロ圏内を中心に訪問診療を行う。

主役は患者 食べるものも生活リズムもすべて好きなように

公開日: 更新日:

 入院していれば当然ながら、患者さんの生活リズムは病院に合わせることになります。体温を測る時間、食事の時間、消灯の時間など、すべて病院側の都合になります。

 それが在宅医療だと、一転して患者さんが主役になります。どういう生活リズムにするかは患者さん次第。自分が着たい服を着て、自分が食べたいものを食べる。私たち在宅医療のスタッフは、患者さんがやりたいようにやれるよう工夫します。私たちは“管理者”ではなく、患者さんの個性に合わせて一緒に歩む“伴走者”だからです。

 私たちスタッフが常日頃から心掛け、意識していることがあります。それは、病院では患者さんが“お客さん”なのが、在宅医療では、私たちが患者さんの自宅に招かれる“お客さん”だということ。だからこそ、招かれざる客にならず、気持ちよく迎えていただけるよう、特に立ち居振る舞いには気をつけなければならないと考えています。誰でも嫌いな人を自宅に招き入れたくないと思うのが人情です。

 もしも受け入れてもらえなければ、在宅医療そのものが成立しない場合も出てくるわけで、患者さんに私たちがちゃんと迎えてもらえるか否かは、とても重要なポイントなのです。患者さんやご家族も、自宅で過ごすうちに入院中にはなかった「自分たちが主役だ」という意識が強まるのでしょう。病院だと患者は同じ病衣を着て、患者らしくしなくてはいけないのですが、自宅だと本来の自分らしさを取り戻せます。

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