だからホラーは深くて怖い
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紡がれていく恐怖 ~『異形コレクション』~
1冊で多くの作家の作品が楽しめるアンソロジーは、楽しむにはうってつけですね。 実話系だと各社から実話怪談が毎月のように出ていますが、創作系で現在もなお定期的に刊行されているシリーズを紹介しま…
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エドワード・ゴーリーは絵本を通じて、世界が含み持つ残虐性を子供に提示した
大学生時代、私は絵本やアニメーションを作ることを楽しむサークルに所属していました。 なにしろ絵本製作には『絵を描く』『話を作る』『製本する』という3つのものづくりが関わっているし、さらには視…
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日本は幽霊、海外はリビングデッド ~『寝煙草の危険』~
今回は海外作品です。 地域特性と文化圏、そして感覚の違いから、海外では日本とは異質なホラー作品が数多く生まれています。北方文化圏に根付く霊界との交信術シャーマニズム、中国のキョンシー、日本の…
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語り継がれる民話 ~『遠野物語』~ ざしきわらしは怖ろしい存在でもあるのだ
今回は日本の民話。伝承譚です。 戦後の復興に伴い、ベビーブームを迎えて、子どもたちを楽しませるために全国各地に残る民話を掘り起こして後世に遺そうという動きが起きたのは昭和40年代のこと。明治…
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海外の古典 ~『聊斎志異』『千一夜物語』~はハードルは高いが必読の2冊
前回は日本の古典を紹介したので、今回は海外のものを。 『聊斎志異(りょうさいしい)』。 『三国志』『水滸伝』『西遊記』と並ぶ中国の古典。中国における、1636年から始まった清の時代の初期…
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小泉八雲の「怪談」は刊行から100年経っても楽しめるし怖い
怖い話の代表作と言えば、なにを思い浮かべますか。 『今昔物語集』でしょうか。それとも『雨月物語』かな。えっ、『耳嚢(みみぶくろ)』? あなた、通ですね。 ちなみに日本三大怪談と言えば『…
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ホラーの帝王 ~スティーブン・キング~
スティーヴン・キングの名前を聞いたことないなんて人、いませんよね。 著作タイトルを並べたら、それだけでこの原稿は終わってしまう。名実ともに世界のキングです。帝王です。 今年は『キャリ…
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火付け役は貞子…社会現象になったホラー作品 ~「リング」「バトル・ロワイアル」~
いまやジャパンホラーという言葉ができているほど、日本のホラー作品は海外でも認知されています。メディアミックスは必要不可欠だし、ホラー専門の雑誌やテレビ番組も珍しくありません。 アニメーション…
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文芸におけるホラージャンルの確立 ~日本ホラー小説大賞~
昭和の時代、文芸といえば純文学とミステリーが主流でした。 他にも歴史小説や青春小説、冒険小説というジャンルがあったけれど、恐怖小説となると単なる子ども向けの『おばけの話』として児童文学の範疇…