「心臓の力 休めない臓器はなぜ『それ』を宿したのか」 柿沼由彦著
著者らが発見した心臓の「NNCCS」(非神経性心筋コリン作動系)というシステムについて解説した医学テキスト。
1日におよそ10万回もの拡張と収縮を繰り返す心臓は、多くのエネルギーを消費。エネルギーとともに産出される活性酸素という猛毒を浴び続けても、心臓自身に自らを癒やす能力があるために実際に心臓が活動を停止することはない。しかし、実はその能力を発揮するには、心臓は根本的な問題を抱え、死に至ってもおかしくない「つくり」になっているのだとか。にもかかわらず、死なないのはなぜか。そのカギを握る神経伝達物質アセチルコリンが、心筋細胞で産出されている事実を明らかにしながら、心臓がなぜ過労死しないのかの謎を解く。(講談社 900円+税)