「レームダックの村」神林長平著
世界中の電子データが蒸発し、「マネー」が一夜にして消えた。世界の金融システムは崩壊し、各地で騒乱が多発する非常事態宣言による報道管制が敷かれたが、政府官邸と直接つながる進化情報戦略研から依頼されて、新聞記者の真嶋兼利は地方都市の現状視察に。
ところが、高速道のサービスエリアでカイタとヒミコに襲われ、山間の村に連れて行かれる。2人は大金を盗んで追われているようだった。カイタの「叔父貴」は公安のスパイを始末したことから、このムラに身を隠すことになったという。このムラは内閣情報調査室の部門から殺しを請け負う機関だったが、〈地球の意思〉という組織に攻撃されていた。
終末的な世界を描くSF長編小説。
(朝日新聞出版 1800円+税)