「傷だらけの果実」新堂冬樹著

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 33歳の映画プロデューサー・裕二は、製作した映画すべてが大ヒットを記録する希代のヒットメーカー。日米合作の大作映画の日本側プロデューサーに指名される。主演のハリウッドスターの相手役を務める日本人女優のオーディション中、裕二はある女優の応募書類にクギ付けになる。瑞希というその女優を前にした裕二の脳裏に15年前の記憶が蘇る。瑞希は大学1年の時に裕二の前から姿を消した緑にそっくりだった。当時から映画界を目指していた裕二は、同級生の緑を見初め、彼女をスターにしようと整形やダイエットを繰り返させた。そして裕二は、彼女が最後まで拒んだ八重歯の抜歯まで強要したが……。

 二人三脚で芸能界の高みを目指していた2人の狂気の日々を描くエンターテインメント。

(河出書房新社 780円+税)

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