「ザ・ロイヤルファミリー」早見和真著
「望まざる人が来る」と書かれたおみくじを見つめていたとき、栗須栄治は大学時代の友人、大竹雄一郎に声をかけられた。大竹は翌日の重賞レースに叔父の持ち馬「ロイヤルダンス」が出ると言い、競馬に誘ったが、栗須は断る。
翌日、テレビでレースを見ていると、大竹から電話がかかったので、ロイヤルダンスを買い、かつての恋人の牧場の馬「ラッキーチャンプ」も良く見えたと伝えた。結果はロイヤルダンスが1着、ラッキーチャンプが2着! その後で大竹の叔父、山王耕造に引き合わされた栗須は、「9―10」の馬券を渡される。それが428万7000円の現金に代わり、栗須は山王に請われて彼の秘書になるが……。
競馬の世界を描くエンターテインメント。
(新潮社 2000円+税)