「長生きしたい人は歯周病を治しなさい」天野敦雄著
高齢者がかかると思われがちな歯周病だが、10~19歳の4分の1以上、30~60代に至っては80%以上が歯周病だという。ただ10代のほとんどは、きちんと歯が磨けていない歯肉炎という初期の歯周病の状態で、正しく歯を磨けば治まる。
だが、成人の1割は歯を次々と失う重度の歯周病だという。
さらに細胞の表面や血管の壁にくっつきやすい歯周病菌は、歯とは関係ない認知症や心疾患、脳卒中、がん、生活習慣病など、さまざまな病気の発症の原因となる。なぜなら歯周病になって出血が起きると、歯周病菌とともに炎症物質が血流にのって全身に運ばれるからだ。
他人事ではない歯周病の基礎知識から、さまざまな病気との関係、そして治療法まで教えてくれるメディカルテキスト。
(文藝春秋 880円)